河野通勢展

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河野通勢といえば、挿絵画家として著名な人ですが
先ごろ青年期の作品が、発見され、NHKの日曜美術館でも取り上げられました。
放送を見て、20代前半に描かれたその絵の、日本人離れした
圧倒的なパッション、執拗なまでの描きこみに驚かされました。
今日、松涛美術館で展示されている作品群を見ましたが、
期待にたがわず、強烈な圧迫感で迫ってくるものでした。
とくに、長野で描かれた風景を中心とする作品には、一見の価値があると思います。
キリスト教信者だった河野通勢の、自然に対する感性、
大変するどく、また畏敬の念も感じさせます。
風景画といってもその中に配されている人物が、大変個性的で、
奇妙にも見えます。
風景画と呼びにくいなにか、現実を写しているのに、現実離れした
不思議な印象を与えます。

線描画はデューラーの影響がはっきりと見てとれます。
後年描かれた挿絵の基礎もそこにあったのかと思いました。
松涛美術館は、建物も面白いつくりです。
今日は、ゆっくり楽しむことができました。