フェルメールとハンマースホイ

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少し前になりますが、上野で二つの絵画展を見ました。
フェルメール、デルフトの巨匠たち展」と「ヴィルヘルム・ハンマースホイ展」。
フェルメールは言わずと知れた、オランダ・フランドル最高の画家、
日本でも大変な人気があります。
すでに「牛乳を注ぐ女」などの有名作品も来日しましたが、今回は7作品も展示されるということで、
携帯サイトでは、待ち時間も表示されるくらい。
朝一番で行きましたが、それでもフェルメール作品はすぐ見られるというわけにはいきませんでした。
フェルメール展のオバさん率、85%、オジさんも入れてオジオバ率95%・・・って感じ。

オバはどうして絵が好きなのか。
どうして、2~4人で連れ立って来るのか。
どうして、ランチに流れて、みんな同じものを注文するのか。
どうして、ロングスカートに肩パッドのあるジャケットなのか!

自分もオバのくせに、オバの不思議がわからない、オバとしては失格なのです。

あ。フェルメールでした。
以前ツヴェタン・トドロフ「日常礼賛」「個の礼賛」を読んで、フェルメールだけでなく
同時代のフランドル絵画をまとめてみたいと思っていたわたしには、嬉しい企画でした。
ピーテル・デ・ホーホという、ヤフーのような谷保のような名前ですが、
この作家の絵を見られたことも収穫。
しかし、ホーホの描く顔は不器量なのが多い・・・顔が苦手なのか?当時はこれが良かったのか?
でも「食物貯蔵庫の女と子供」の、子供は横向きですが美しい子で、女の子かと思ったら
男の子だそうです。金髪がきれいで、この子もカイトみたいになるのかな・・・と、
つまらない想像をする。そういえば、カイトのような顔してる若い男性がヤン・コリエの絵の中に。
「個の礼賛」は、大雑把にいえば、絵画の目的が宗教であったものから、
個人のための絵に移り、宗教絵画として寓意やある意味づけ、一定の規則のあった絵画から
個を表現するものになっていく過程でのフランドル絵画について、書かれています。
しかし、実は教科書的にまとめるとかなり内実とは違ってきます。
個の中にある宗教性や精神性といったものも、この時代の絵画に見られるものでしょう。

そのなかで、写真の「小路」などはもっとも新しい傾向の絵画でしょう。
期待に違わず、ほんとうに美しい絵でした。
この「日常礼賛」は、これ以前には見られなかったものです。

しかし、どんどんどんどん込んできて、もうゆっくり見られない・・・

とりあえず見たい絵は見たので、絵葉書を買って外へ。
まだ時間があったので、国立西洋美術館
ヴィルヘルム・ハンマースホイ展へ。
ここは、がらがら・・・若者率70%・・・
同じ上野の美術館とは思えません。
ハンマースホイは、デンマークの画家。19世紀末に作品を残した人です。
わたしも寡聞にして名前は知りませんでしたが、この絵はみたことがありました。
これが思いのほかによろしくて、空いていてゆっくり見られたし、なかなかの収穫でした。
このポスターになっている彼の妻の後姿のある絵は、まだ彼にしては人間くさい方で、
多くの人のいない建物の絵、人のいない室内の絵がこのような抑えた色調で描かれています。
それがなんともいえず、気候風土のせいか、さむ~いつめた~い感じ。
ゾクゾクっと寒気がしてくるようでした。
なにかいたたまれないような、独特の美しい世界でした。

外は快晴だったので、ロダンカレーの市民」を撮りました。

お一人様オバは、午後用事があったので、
上野のスタバでサンドウィッチと豆乳ラテのランチでした。