こんな時は家で映画でも〜愛と銃弾

明日にも緊急事態宣言が出されるそうです。

良い子にしてもういい加減こもりがちな日々を送ってきたものとしては、まだまだその自宅謹慎…もとい外出自粛が続くのか、とぐったりしますが、致し方ありません。

ただ便利なことに、BSやWOW WOWだけでなく、ネットでも映画が配信されているので、ゼータク言わなきゃよりどりみどり。

でも、わたしは最近人気の日本映画にはあまり興味がわかず、見る気が起きません。人気があり、多くの本数が作られると言うことは、中には面白い作品もあるはずなのですが、どうも食わず嫌いで…

 

で、今回見たのはイタリア映画。

これも「アバウト・ア・ボーイ」同様気楽〜に見られる。

「愛と銃弾」

 

f:id:fuchanp4:20200406204123j:plain

ポスター

 

 

ポスターにも書いてあるように、2018年イタリアのアカデミー賞ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞5部門を受賞した作品。

 

しかし、試聴後の感想は、これがイタリアのアカデミー賞作品賞かあ。

大丈夫か、イタリア。

そしたら、新型コロナウィルスでは大丈夫じゃなかったようですが、日本も大丈夫じゃなくなっているので、あまり人のことは言えない…

 

まあ、な〜んも考えないで見るにはよろしいかと。

 

冒頭、お葬式のシーンで、いきなりお棺に入っているギャングのボスが歌い出す。

なんかインド映画みたいに、唐突に歌やら踊りやらが入ります。

ミュージカル仕立てのフィルム・ノワール&ラブロマンスみたいな?

病院で点滴つけたよく太った患者が"What a feelig"を歌い踊り出すところなんか、吹き出してしまうのですが、この曲が入ったのはヒロインがジェニファー・ビールスに似ているからか?

ともかくナポリを舞台に看護師のファティマと、殺し屋で元の雇主のギャングに追われることになったチーロの愛の逃避行と、チーロとギャングたちの殺し合いとが、歌とダンスを挟みながら進みます。

最後は殺しに殺しまくったチーロが、ありえへん展開により、「トスカ」なら殺されてしまうところを生きながらえ、恋人のファティマとハワイに逃げて、ハートの中でチューしておしまい。

ここはナポリじゃないからいいんだ、とかいうような歌と共に賑やかに終わるのですが、終始一貫ナポリをコケにしていて、これはイタリアの観客は笑うのだろうか。ナポリの人も笑っちゃうんだろうな…

何しろ監督のマネッティ兄弟は、「僕はナポリタン」と言う作品を出しているそうです。見てないけど、原題も知らないけど。

 

一種のステレオタイプというか、お約束なのだろうけど、ギャングのボスは小柄で貧相なオッサン、女房はグラマラスで悪知恵が働くけどどこか抜けていて、と言うキャラクターも期待を裏切らない。その女房が映画中毒で、カンフー映画にかぶれて、チーロにカンフーを仕込んだり、と言うおそらく監督の映画好きもこの作品の味の一つ。

いろんな味がゴタゴタと詰め込まれ、笑っておしまいになります。

 

ギャング映画の部分ではこれでもかと撃ち合い殺し合いがあり、最後には若い頃から一緒に育った親友も殺してしまうのだけど、「すまない」とかあっさり言って、彼女とハワイに旅立ってしまう。

そりゃ、殺し合いより彼女とイチャコラした方がいいに決まってます。

 

見ているときは呆れて見てたけど、こうやって振り返ると、意外とただものではない兄弟なのかも。

イタリア映画で兄弟で監督といえば、「父 パードレ・パドローネ」「グッドモーニング バビロン!」などのタヴィアーニ兄弟が知られていますし、わたしもこの二本は好きです。とても真面目な作風。

マネッティ兄弟の方は、他の作品は見てないけど、もっと若く悪戯心のある人たちのようで、これからどういう作品を出すのか、そんなに期待はしないけど(すまんすまん)、何か目にする機会があれば見てもいいかな、と。