ほぼ毎晩映画を見るのはいいけど、レヴューが追いつかず、とうとう9本たまっちまいました。
全部書けないかもしれないから、一応ここに記録しましょ。
*周星馳 「西遊記 はじまりのはじまり」
*ヴェンダース 「アランフェスの麗しき日々」
*山田洋次 「馬鹿が戦車でやって来る」
*ジョン・ウー 「クロッシング」
*シドニー・ルメット 「その土曜日 7時58分」
*鈴木清順 「殺しの烙印」
*キアロスタミ 「友だちの家はどこ」
*マイケル・スピエリッグ、ピーター・スピエリッグ 「プレディスティネーション」
*川島雄三 「わが町」
ですわ〜(ヴェンダース以外全部初見)
書きやすいのとなんか書きにくいのとあるけど、この9本のなかで、一番アホらしいのは、これ。
「西遊記 はじまりのはじまり」
ウダ〜っとポテチでも齧りながら見るのにはピッタリ。
ただし、かなりの頻度でキモチワルイシーンがあるから要注意です。
それに、あああの孫悟空のお話ね、じゃ子どもと一緒に、と思うのも大間違い。
教育上悪いお下品なシーンも多々あるから、ダメ〜
だって周星馳ですもの、そんな良い子な映画作るわけない。
2013年の公開だそうですが、わたしは初見。
2001年の「少林サッカー」、2004年の「カンフーハッスル」の後の作品。
「西遊記」という動かし難い原作があるだけに、前2作ほど八方破れなお話ではないけど、それでも「ありえねー」のアホらしさは変わらず。
周監督というか、香港映画全体にも言えるのですが、人情話が絡まっても、香港の気候に反してとても乾いたコメディになります。
そこがわたしは好きなところで、あははは〜ありえね〜と笑い飛ばしておしまい。
特にもともと定番の「西遊記」ですから、前2作より安定感があり、意外性はないとも言えます。
監督がドラゴンボールの大ファンだそうで、その影響も見えます。
これは三蔵法師になる前の若き日の玄奘が(ウエン・ジャン)、沙悟浄、猪八戒、孫悟空に出会って天竺へ旅立つまでのお話。
玄奘は、「妖怪ハンター」として妖怪に苦しめられている村人を救おうとするのだけど、全然呪力もなく、ライバルの段という女妖怪ハンターに助けてもらったりする。段を台湾の女優スー・チーがやっていて、周作品には珍しく変なメイクも変な服も着せられず、相当強いという以外は、美女のままです。
その代わり、脇役にヘンなメイクや、巨大な女や、オババの侍女集団みたいなのが出て、期待に応えてくれます。
猪八戒の出るところとか、非常にキモい場面も多いけど、まあ作り事ですから、ウへ〜と言って見てしまいます。
悟空もたいそうえげつなく、こんな奴が改心するのは、やはりお釈迦様のおかげだ、みたいな展開になります。
一番笑う場面は、猪八戒を誘き出すために段が女らしい誘惑の仕草を習得しようとするところで、ちょっとした行き違いから、大爆笑のシーンに。
こんなバカ笑いしたの、久しぶり。
それだけで、この映画の価値はあると思う。
主役のウェン・ジャンはこの後、かなりのスターになっているのですが、わたしは何かで見たかな〜というくらい。周星馳がもう少し若かったら玄奘をやったのではないかと思いますが、ウェン・ジャンも雰囲気は似ていると思いました。
この続編はツイ・ハークが撮ったそうで、これも見ていないので、Amazon prime videoにあったら見たい。