こんな時には家で映画でも〜「グランド・マスター」「西遊記2」
マーシャルアーツの映画、あまり多くは見ていないけど好きです。
一番好きなのは、ジェット・リーが黄飛鴻を演じた「ワンスアポンアタイムインチャイナ」。
お行儀よくすごい立ち回りを演じるジェット・リーがかっこいい。
で、1988年の「旺角卡門」を始めとして…わたし旺角の近くに住んでいたことがあるので、非常に懐かしい…「欲望の翼」とか「恋する惑星」とかで鮮烈な印象を与えたウォン・カーウァイなら、どう撮るのか。
グランド・マスター
ウォン・カーウァイ監督
2012年制作
「ブエノスアイレス」「花様年華」のウォン・カーウァイ監督が初めてカンフーを題材に取り上げ、ブルース・リーの師匠としても知られる伝説の武術家イップ・マンの物語を描く。1930年代の中国。引退を決意した北の八卦掌の宗師(グランドマスター)・宮宝森(ゴン・バオセン)は、一番弟子の馬三(マーサン)と、南の詠春拳の宗師・葉門(イップ・マン)を後継者の候補と考えていたが、バオセンの奥義を受け継ぐ娘の宮若梅(ゴン・ルオメイ)も自ら名乗りを上げる。しかし、野望に目のくらんだマーサンがバオセンを殺害。ライバルでもあるイップ・マンに惹かれていたルオメイは、その思いを封印して父の復讐を誓い、後継者争いと復讐劇は複雑に絡みあっていく。出演はトニー・レオン、チャン・ツィイー、チャン・チェンら、香港・中国・台湾のスターが集結。(映画.comから借りました)
イップ・マンはブルース・リーの師匠だそうで、他にも多く映画化されているようです。
が、ワタクシ、ブルース・リーがあまり好きではなくて、イップ・マンも実は、この映画で初めて知りました。
ブルース・リーの筋骨隆々として、上半身裸でヒョエエえ〜とかいうのが、好みではないのですわ。
ジェット・リー扮する黄飛鴻のように、端然としている武術家が好きなの。
で、これはウォン・カーウァイ監督で、イップ・マンをトニー・レオンがやっていますから、当然のようにお行儀良い方の武術家になりました。
ウォン・カーウァイらしく、凝った映像で、スタイリッシュに作られています。
その分、格闘シーンなどはスリルに欠けるし、わたしは好きと言いながらその辺のことには全く暗いので、ナントカ拳と言われても、ホントのところ区別つかず。
そんなことは、まあいいような気がする。
大師匠の娘、ナントカ拳の継承者でもあるチャン・ツィイーは、この作品でも大変に美しく、イップ・マンを愛しながら、押し隠して、はかなく亡くなってしまう。
イップ・マンは、(大陸が共産化されたため)家族とも引き離され、失意の中香港で生きる。
ウォン・カーウァイらしく、トニー・レオンの淡々としたマレーションで物語は進みます。
しかし彼の実力を知るものが集まってきて、道場になり、幼いブルース・リーもそこにいる…
お話としては、きっともっと面白いイップ・マン物があるのではないかと思います。
これはウォン・カーウァイの手法が好きか嫌いかで別れます。
酷評する人がいるのもわからないではない。
わたしはトニー・レオンも好きだし、チャン・ツィイーもきれいだったし、悪く言えばあざとい、良く言えばスタイリッシュな映像も、まずまず悪くないと思いました。
それに、ようやくブルース・リーに実在のお師匠さんがいたことを知ったわけだし。
この後、徐克が聞き継いだ「西遊記2」を見ました。
シリーズ2ですが、俳優はかなり代わっていました。
まあそれでも「西遊記」という大枠があるので、大きな変化はありません。
お約束のお笑いもあり、しかし徐監督ですから、エグさは増し、スケールアップしています。
次もあるのかな?でももうわたしはいい…
ところで、ずっと前、香港のTVで徐克監督の初期作品を見ましたが(タイトルも何もかも忘れた)、あまりの暗さと滲み出るやり場のない怒りとの表現に、びっくりしたことがあります。嫌な後味の映画でしたが、才能と感じました。