家で映画でも〜「天使の入江」

Jリーグの再開が決まった〜

J1は7月4日、J2は6月27日だというので、

夫が「何かい?J1は7月4日って1週間も違うのかい?J2は準備が足りなくてもいいってのかい?」と、僻んでいますが…

確かに、移動という点では、J2、J3の方が大変だと思うんだけど。

 

と、言ってもまだまだワタクシどもは自重してですね、家でなるべく大人しくするわけです。

 

 

 

天使の入江

ジャック・ドゥミ監督

1963年制作

f:id:fuchanp4:20200531204554j:plain
f:id:fuchanp4:20200531204612j:plain

 

 

 

シェルブールの雨傘」などで知られる名匠ジャック・ドゥミの長編第2作。南仏ニースの美しいリゾート地を舞台に、ギャンブルに魅入られた男女の運命を描く。パリの銀行で働くジャンは、同僚に連れられて訪れたカジノで大当たりする。すっかりギャンブルの魅力に取りつかれた彼はニースの安ホテルに居を移し、カジノ通いの毎日を送るように。そんなある日、カジノで出会ったブロンド美女ジャッキーと意気投合したジャンは、彼女とパートナーを組んでますますギャンブルにのめり込んでいくが……。ジャッキー役に「死刑台のエレベーター」のジャンヌ・モロー。日本では2017年の特集上映「ドゥミとヴァルダ、幸福(しあわせ)についての5つの物語」で劇場正式初公開。

(毎度すんません、映画.comの解説です)

 

クロード・マン演じる真面目な銀行員だった青年ジャンは、悪友の誘いで、ちょいとギャンブルをやって小金を儲ける(ビギナーズラックそのもの)と、時計屋をやっている謹厳実直な父親からあっという間に勘当されてしまい、今だもっと本場へ行こうとニースへ行く。

ニースの「天使の入江」という名前の浜辺で、素晴らしいブロンドの美女ジャッキーに出会う。

このジャッキーがどう見たって重症のギャンブル依存症で、彼女に引っ張られるようにジャンもギャンブルにのめり込み、果てはすってんてんに。

 

シェルブールの雨傘」の前年の作品です。

「シャルブールの雨傘」を見たのも随分昔のことなので、よく覚えていないけど、ワタクシ、このジャック・ドゥミという監督とはあまり相性がよろしくないようです。

一番新しい記憶が「ベルサイユのばら」で、ジャック・ドゥミさん、やっちまったな〜という印象だったのですが、まあそれは大人の事情もあるのかもしれないし、おいといて。

 

わたしの大好きなジャンヌ・モローがこの作品では、美人だけど、あまり良さが出ていないような気がする。

57年の「死刑台のエレベーター」62年の「突然炎のごとく」はもっときれいだった。

さらに後年の66年「マドモワゼル」だってああいう役だけど魅力的だったし、さらに老年に達した「夢の涯までも」だってとても美しかった。

 

それでもこの作品でも、大枚を稼いでカルダンのドレスで着飾った時以上に、スってしまって無一文になったときの開き直ったようなふてぶてしさはとてもステキ。

 

青年ジャンは、それまで真面目に勤めていただけに、ギャンブルにもジャッキーにも夢中になってしまって、ジャッキーが他の男と親しくすると、激しく怒るのだけど、アンタ何様よ?みたいなジャッキーの態度。わたしもジャンに、坊や、彼女が自分のモンだと思うのは10年早いよ、と言いたくなります。

どうも彼女はギャンブルさえできればいいようで、ジャンが彼女に夢中なのにちょっとはほだされたかもしれないけど、愛しているのかは怪しいと思う。

 

ジャンを演じるクロード・マンはなかなかのイケメンですが、他の出演作品はあまり知らないなあ、と思ったら「影の軍隊」に出ていたそう。

割と最近TVで観たのだけど、このジャン=ピエール・メルヴィルの作品は好きです。

 

さて、二人の関係が恋人同士だとしたら、ハッピーエンドのような終わり方でしたが、ワタクシのような意地悪オバから見ると、そうはうまく行くまい、と思ってしまう。

きっとまた有り金全部使っちゃうんじゃないかな、そのお金がどれほど大事なお金か、言わないけど。

 

ここまで書いて思ったけど、もしジャッキーがわたしが見たような女だとしたら、ものすごく自分勝手じゃないの。ただ、どうしようもない重症の依存症だから気の毒なのだけど、その自分勝手さはよく描けていたように感じます。

それが監督の意図するところかは、わからないけど。