なんだかんだで映画をゆっくり見る気分にならず、TVで韓流ドラマを見ていたりしました。
それでもたまに見てたのですが、もう忘れた。
2本韓流映画を見たなあ…1本は李氏朝鮮史上最悪の暴君燕山君が飼っていた異形の動物が怪物化して大暴れ、それを冤罪だかなんかで退役していた将軍がやっつける話。燕山君はよくよく暴君だったらしく、フィクションでもとりあえず彼のせいにしとけばいいという、今ではちょっと便利な王様になっているようです。この映画では燕山君の次の時代ですが、その負の遺産で大変なことになるけど、気骨のある将軍が大活躍、悪徳大臣はその怪物に食われてしまう、メデタシメデタシ。
もう1本は…あれ?覚えてない。こういう場合、また見てしまい、途中でこれ見たことある〜と思い出すパターンですな←大ボケ。
で、今回はこれです。
エクストリーム・ジョブ
監督 イ・ビョンホン
今回もメンドクサイから映画.comから借ります。
ひょんなことから大人気フライドチキン店を経営することとなった麻薬捜査班の姿を、「王になった男」のリュ・スンリョン主演で描いたコメディ。忙しく走り回りながらも、思うような実績を積めずに解散の危機を迎えている麻薬班。国際犯罪組織の国内麻薬密搬入情報を入手したコ班長(リュ・スンリョン)は、チャン刑事(イ・ハニ)、マ刑事(チン・ソンギュ)、ヨンホ(イ・ドンフィ)、ジェフン(コンミョン)の4人のチーム員たちとともに潜伏捜査を開始する。24時間監視のため、犯罪組織のアジト前にあるチキン屋を買い取り、麻薬班メンバーによるチキン屋稼業をスタートさせるが、絶対味覚を持つマ刑事の隠れた才能により評判が広まり、チキン屋は捜査にも手が回らないほどの大人気店となってしまう。そんなある日、麻薬班に捜査の絶好の機会が訪れるが……。監督は「二十歳」のイ・ビョンホン。
2019年製作/111分/PG12/韓国
()内は筆者加筆。
ストーリーはよくあるパターン。
ヘマばかりしてウダツの上がらない麻薬班、班長のコは、出世でも後輩に抜かされ、上から目線で見られている。妻にもツンケン当たられる。捜査班解体の危機が訪れるが、ひょんなことから大手柄を立てて、コ班長、班員一同大手柄により、階級特進、後輩の鼻を明かす。
ダメダメだった捜査班が一転お手柄、というのはよくある話ですから、それをどう味付けするか、「ひょんなこと」とはどんなことかが、大事になります。
ダメダメぶりを発揮している間は、クスッと笑える程度のものですが、起死回生の潜入捜査に入り、ギャングの事務所向かいのフライドチキン屋に張り込んだあたりから、作品に引き込まれます。
班長と4人の捜査員たち、それぞれの個性も際立っていて、私生活は妻にツンケンされている班長の様子しか描かれないのですが、他の捜査員は張り込みながら段々強く個性を発揮していきます。
それぞれ得意なことがあり、マ刑事はフライドチキン作りに才能を発揮、お店が大繁盛してしまう。
ウダツの上がらない班長もお店の経営には腕を振るい、チャン刑事はフロア係で頑張る。
若いジェフンもうだうだ言いながら働いて、お店は日本人観光客が食べに来るほど有名に。
このままみんなでフライドチキン屋で大儲け、メデタシになるのかと思うくらいですが…
無論そんなことはなく、ヨンホ一人が店の外で車から、向かいのギャングを見張っていて、これが結局捜査を進展させます。
しかし圧倒的に捜査を進めたのは、「ひょんなこと」で、フライドチキン屋のことやらなんやら上役にばれてコ班長は退職、他の捜査員は停職に追いやられ、もうあかん、というときに大チャンスがやってきて…
あとは、はでな殴り合い、撃ち合いのシーン。
そこでも班員の特別な能力が発揮され、なんだこんな優秀な班員なら今までにも成果があげられたんじゃ?と思う。
結局たまたまマ刑事が料理上手で、しかもものすごい怪力の持ち主だったことで大活躍。
ジェフの監督ユン様のお顔をバランス悪くしたようなマ刑事が、血まみれになりながらギャングを一人また一人とやっつけ、最後には「あんたは顔だけだから(変わった好みだけど悪くないかも)」と言っていたチャン刑事と、血まみれの口のまま、激しくチューをする、なんかすごいシーンが。
そしてやっぱりボス同士の一騎打ちもあり、何度も死にそうになったけど今まで死ななかったコ班長が、当然勝利を収めます。
大筋ではよくある話ですが、味付けが何しろフライドチキン水原キムチ味だし、結末はわかっていてもハラハラさせるし、やはり韓流映画の元気の良さが発揮されていました。
監督のイ・ビョンホンは、あの俳優イ・ビョンホンです。多才な人のようですね。
「白頭山大噴火」だったかしら、これも凄そう。
フライドチキンの油の匂いが漂ってきそうな、濃い作品。
もう十分食べた気分になってしまったので、当分フライドチキンは結構です…