府中市美術館「動物の絵〜日本とヨーロッパ ふしぎ・かわいい・へそまがり」

始めに。

先週から体調が悪く、ブログもすっかりご無沙汰していました。

いつもご親切に訪問してくださるブロガーさんのところへも伺えず、誠に失礼致しました。

寝込んだのは数日ですが、なかなかiPadに向かう元気はなく、だら〜〜〜っとDAZNでサッカー見たり、WOWWOWで最近ハマっている中国時代劇見たりしていました。

中国時代劇は「山河令」という、呆れちゃうようなイケメン(この言葉あまり好きでない、美男と言いたい)二人が主人公のドラマに夢中になっています。

 

それはともかく。

そろそろ社会復帰は十分にはできないけど、ブログ復帰くらいはしないと。

 

記憶もかなり曖昧になってしまいましたが、10月8日に行った府中市美術館の「動物の絵」展について。

 

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入り口にあるパネルです。

これだけでなんか面白そうではないですか。

古今東西の動物の絵を集めた催しです。

府中市美術館の面目躍如、会場に入るなり、伊藤若冲の「象と鯨図屏風」がドーン!と迎えてくれます。

いくつかのブロックに分けてありましたが、もう忘れてもうた…

最初のブロックには、主に江戸初期から明治初期くらいの日本でよく描かれていた動物の絵が展示されていました。

熊とか狐狸、カエル、鷲、虎、龍、猿など。

中でも蛙は西洋ではあまり画題にならないと思うけど、日本ではユーモラスでかわいい絵が多いようです。

岸勝(がんしょう)の「猿の坐禅図」も面白かった。

 

次に西洋の動物の絵。

 

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この看板にある絵もそこに展示されていました。

ルーラント・サーフェリーという人の「神の救済に感謝するノア」。

よく知らないけど1576〜1639年のフランドル生まれだそうだから、北方ルネッサンス後期からマニエリスムの頃の人なのでしょうか。

画題は見ればわかる、ノアの箱舟が地について、乗せていた全世界の動物たちが地上に出たところ、写真では黒くなってわからないけど左隅の木立の中で、ノアが命を救われた感謝を神に捧げています。

動物は聖書にある通り一つがいづつ、解説にもあったように、神様からノア(人間)にその命の生殺与奪を委ねられた、人間の保護下、人間に対する自然界のものとして、西洋絵画では扱われています。

しかしこの絵では細かく細かく動物が丁寧に描かれていて、箱舟によって守られた命の重さを感じることはできるように思います。

西洋にも動物を擬人化した絵は多いけど、寓話による教訓として描かれていて、可愛さより、愚かさや醜さを感じさせるものが多いようです。

このブロックではアンジェロ・マルティネッティというアーセナルのFW←←

みたいな名前の画家の「鹿と猪のある静物」という絵があります。

19世紀末から20世紀初頭の人だそうですが、狩猟画を得意としていたとの解説通り、本物より本物みたいな精緻な筆致で、鹿も猪もものすごくリアルなんだけど、構図がありえない感じで、妙にシュールでした。

 

ゴーギャンの版画も、今まで見たことがなかったので面白かった。

 

ここで人と共に生きる自然界の生き物としての日本の動物と、神様に支配を委ねられた西洋の動物への認識の違いが語られています。

ヤン・ヨンストンという17世紀の学者の「動物図譜」も、そういう人間が治めるべきものの図録んなのかしら?徳川幕府にも献上されたそうです。

一番上の写真のパネルの下から、ニュ〜ッと顔を出しているシュモクザメが、その図譜から取られた絵。面白い。

 

 

次のブロックで藤田嗣治の「授乳の聖母」もランス美術館から来ていました。

なんか違和感あったなあ…赤ちゃんイエス様と猫でも抱いていたっけ?忘れた。

しばらく日本の、擬人化した動物の絵が続いていたと思う。

ユーモラスでかわいい絵が色々。

そして西洋の擬人化された動物の絵も。

 

蕭白国芳だのデューラーだのボナールだの見逃せない絵が展示されています。

ルドンやギュスターヴ・モローのような想像上の動物、また物語の中の動物も紹介されます。

ルドンのはペガサス、モローはお約束の一角獣。

聖ヒエロニムスとライオンの話はデューラーはじめ4作品展示されています。

おとなしいライオンということで、なんだか愛嬌があります。

 

「動物の絵」展では1ブロックを徳川将軍家光の作品群に当てています。

もう、すっごく下手。

ヘタウマというけど、下手。

 

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でもなんだか可愛くて、つい絵葉書を買ってしまいました。

 

しかしな〜将軍様が「ほれ、わしが描いた絵じゃぞ、そちにくれてやろう、ありがたく受けるが良い」なんて言ってくれても、困った藩主や旗本はいたでしょうねえ。

特に美術にうるさい殿様は嫌だったろうなあ…

 

でもつい笑っちゃうほど下手で可愛いものだから、実は2枚も絵葉書買っちゃった。

誰に出そうかな〜

 

 

 

 

そして、近世、近代になると、動物のリアルな様子や、可愛らしさや、勇猛さなどを、東西を問わず描かれるようになります。

 

 

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上の絵は円山応挙の描いた超かわいい子犬たち。

応挙はやっぱり上手いですな〜

 

というところで、なかなか楽しい「動物の絵」展でした。

府中市美術館の催しはいつも面白い。

 

 

ランチにはこれもいつものように館内の「森乃珈琲店」で、キッシュプレートをいただきました。

 

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一緒に写っているスタンプカードは、恒例になっているもので、今回はメッセージカードでした。

メッセージのスタンプも3種類ありましたが、私は絵のスタンプだけにしました。

 

カボチャとお芋のキッシュで見た目よりボリュームがあり、私にはちょうどいい。

 

 

今回も長くなってしまった…

 

最後までご覧くださった方がいらしたら、心より御礼申し上げます。