FC東京とジェフ千葉、今季の展望〜「今が一番いい時かもしれないよ。」
「今季の展望」って書いといて、「今が一番いい時かもしれないよ。」ってなんだよ!
と、突っ込まれそうですが、小津安二郎サポ(←)ならわかるはず。
次のセリフは「そうでしょうか、これからだって…」と、東山千栄子が、笠智衆に対して言う。いや、今が一番いい時だと笠智衆は繰り返し、果たして笠智衆のペシミスティックな言葉通りに「東京物語」は展開していきます。
・・・・・・・・・な〜んてことを書いてるからいつも長くなるのか。そうかそうか。
いえね、うちではシーズン前ならどんな夢想もできるし、シーズン前のワクワク感もあるし、試合はないから勝った負けたと心を騒がすこともないし、だから「今が一番いい時だよ」と、笠智衆の台詞を借りて言うのです。
そうは言っても、今年は特に東京もジェフもワクワク感が大きいように思います。
まずFC東京から。
公式の写真勝手に使ってはいけないのかな…お許し下さいまし。
でもカッコイイ。
かっこいいと思った人は、新ユニ買ってやっておくんなさい。
ワタクシ、9番にしました。
今季東京は、1999年にJリーグへ参入して以来、最も大きな転換点に立ちました。
「ガス」と呼ばれる通り、東京ガスを中心にいくつかの会社が資本を出す体制だったのが、今季からミクシイが筆頭株主となり、経営を担っていくことになりました。
ずっと健全経営、わりかしケチ?な会社だったのが、今度はリスクはちょっと増したかもしれないけど、お金は弾んでくれそうだ、とシロウトおばちゃんは思っていたわけで、無責任なサッカーマスコミは「イニエスタ級の補強」などと騒いてくれました。が、結局新潟の本間至恩すら来ないわけで、仙台からクバ、鳥栖から山下敬太(ジェフの頃から見てるから何だか微妙な気分)、名古屋から大木が移籍加入、一番マスコミを騒がせたのは青森山田の松木玖生くんの加入だという…(しかし今更ながらマスコミのお○カさん加減にはうんざり)
割と地味ながら悪くない補強です。
むしろ、クラブの意気込みが伺えたのは、監督にアルベル・プッチ・オルトネダを招聘したことと、コーチ陣の顔ぶれを見た時でした。
アルベル監督については、ジェフのアウェイ新潟戦で、強い!という印象を持ちました。その頃新潟は首位、てっきり昇格すると思っていたのですが、後半失速、その点については、東京のスタッフも十分検証しているでしょう。
そして、アルベルさんの新潟への惜別のコメントで、もうすっかり彼が好きになってしまいました。
その後の新体制発表会でのインタビューでも「フットボールは戦いでもあるが、芸術でもあると思います」などと、おばちゃんの心にゲーゲンプレス(←おい)じゃなくて響く言葉の数々。
言葉でサッカーができるもんかい、と仰る方もあるかもしれませんが、「はじめにことばありき」はサッカーでも言えます、というか非常に大事。
言葉で表現されたことを頭で理解し、体で表現することが短い時間でできるのがいい選手。
さらにコーチングスタッフには新潟からお引越しいただいた方々と、鳥栖から白井さんを招聘、このひとがタダモノではないと評判。
コーチの肩書きが多すぎて、どう役割分担をしていくのかがわかりませんが、その辺がGM山形さんの手腕によることでしょう。
安間さんも戻ってきた…去年こそいて欲しかったのに…まあ監督のオファーがあれば断らないでしょうし、健太さんが何を望んでいたかもわからないけど。
マリに0−8という壮絶なスコアで負けてから、おそらくチームは終わった、崩壊したと思います。
森下さんはよくこのどうしようもないチーム状態で1勝1分け1敗で終わってくれました。
最後に長谷部さんと思い切りつまらん試合をしてくれて、福岡を抜くこともできなかったけど、全体の印象としては思ったほど順位を落とさなかったなあ、と。
もっと下位でもおかしくなかった…
昨季のことはあまり思い出したくない。
健太さんがさっさと東京に見切りをつけて、名古屋の監督におさまったおかげで、健太サポの皆さんも流石にもう健太ロスを嘆くことはしていないと思います。
わたしも健太さんのおおらかで実直そうな人柄は好きでした。
ただサッカーは古いのがいけないとは言わないけど、今あのスタイルで優勝するのは…もし優勝したら、Jリーグのサッカーにもよろしくないと言わざるを得ない…
昨季、健太さんも何か変えようとした苦心のほどはわかります。でも、ほとんどうまくいかなかった。森下さんは多少そのことと、次のシーズンのことなども考えての試合だったのかな?
ジェフのアウェイ新潟戦では、新潟はビルドアップをきっちり行い、ボールを繋ぐチームではありますが、2失点とも速攻でやられたと記憶しています。
繋ぐばかりが目的ではないように見えました。
ボールを繋ぐとかいうと東京サポには前科?があり、まずクラブがそれなりにチームを変えようと招聘したであろうガーロさんに驚くほど冷淡だった、うまくいかなくなってからの城福さんにも酷薄だった、2度目の城福さんに対しては何もしないうちから拒否していた。
(だからわたしはサポは…自分もサポだけど、あまり信用できないのですよ。今声が出せないのは応援としてはつまらないけど、ひどい罵り言葉を聞かなくて済むのは助かる。)
アルベルさんは、ボールを持つだけでなく、早く仕掛けることもするだろうと思います。
大事なのは、アルベルさん自身が言うように、ポゼッション以上にポジションです。
でも、ボールを持たされて攻めあぐねることもあるでしょうし、ポジションにこだりすぎて動きが悪くなる心配も。
選手もサポもどれくらい我慢できるか。
さらには、初戦のフロンターレに対して、どういうサッカーができるか。
ボール保持も繋ぐも相手はずっと年季が入っています。
期待は膨らむけど、そんなに簡単ではありません。
で、今季の目標は。
マリやフロンターレに少しでも近づくこと…似せるのではなく、試合らしい試合ができるくらいの力をつけることです。
今の所ものすごく大きな差があります、0−8くらいの。
それを少しでも近づける、1−2とか。スコアはともかく内容で。
初戦は粉砕されるかもしれないけど、最終戦には…で、できれば…勝ちたい…
ジェフの方は。
ユン様3年目だけに、東京よりわかっていることが多い。
蘇我夫は、今季はソロモン次第、と言っています。
去年も成長したのは見えました。
初めの頃おぼつかなかったポストプレーができるようになった。
後はゴール。
それと、船山がいなくなり、風間宏矢と高木俊幸が入ってきました。彼らがどのくらいやってくれるか。
見木が去年めざましい活躍をしましたが、今年はさらに成長するか、風間あたりと切磋琢磨してほしい。
わたしは船山が好きだったから少し寂しいけど。
それにしてもユン様、面白い監督です。
初めの年は、ジェフの選手がよほど守備が下手だったのか、まさか守備練習しかしなかったのか、引っ込んで守る試合ばかりを見せられました。正直、つまらなかった。
守る割に守れなかったし。
そこから徐々に前に出始めて、3バックにしてからうまく行き始め、昨季はポジショナルプレー的なスタイルも見え、後は点さえ取れれば…というところまできました。
点が取れない、追加点が取れないばかりに落としたりドローだったりの勿体無い試合が多く、今季は、やっぱりソロモン次第かも。
シュートは見木の方がうまいようだけど、ソロモンはまだ若いし、これからさらに化ける可能性も秘めていそうです。
で、ホーム開幕戦は昇格してきたグルージャ、キヅールです。キヅール、フクアリに来るかな?グルージャのGKはブランドン大志くんかな、アベノブかな?
と、楽しみですがフクアリには行けないなあ…
というか、味スタにも今の感染状況では行けないでしょう。
COVID-19憎し、オミクロン憎し。
などと考えるで勝手に心配したり、勝手にポジティブに想像してニヤニヤできるのも今のうち、ほら、「今が一番いい時」でしょ?