レッドクリフ PART1

最近・・・といってももうここ10年以上、あまり映画を観なくなりました。
考えてみたら、映画の書庫を作る資格はないような気がします。
さらに、たまに見ても見たそばから忘れていく・・・トシのせいか・・・記憶に値する映画が少ないのか・・・
最近見た映画でもっとも記憶に残っているものといえば・・・んん?なんだろう?

今日は映画1000円の日、だからといって水曜日はいつも暇がないのだけど、
無理矢理時間を作って、見ました。
ジョン・ウーレッドクリフ PART1」
彼が香港で撮ったフィルム・ノワール男たちの挽歌」シリーズは、好きです。
チャンバラ、西部劇、ヤクザ映画、ギャング映画すべてオンチで、このシリーズも詳細に亘って
覚えているわけではありませんが・・・
洋の東西を問わず、この手の映画の人々はやたらにムリをするものらしく、チョウ・ユンファ
何回死んでもおかしくないような活躍ぶりでした・・・

ジョン・ウーがハリウッドで撮ったものは、それなりには面白い出来なのでしょうが、
すでにわたしの興味の範疇ではありません。
TVで見て、白鳩が飛ぶのを確認した程度の興味でした。

とはいえ、漢文化世界にいる人間なら知らない者はなかろう「三国志」の中でも
有名な「赤壁の戦い」の映画化、これはやはり観ないと・・・
三国志」は日本でも、特に恐らく男性に愛好者が多いものですが、わたしはあまりよく知りません。
というより、歴史は得意だけどなぜか中国史は弱かったのです。

でも、隣国の歴史を知らないのはいけないと、陳舜臣の中国史で少しは勉強しました。
まずそこから得た乏しい知識がベースになっていて、
映画の元「三国志演義」は中学生の頃?ダイジェストで読んだ記憶のみ。

あまり批評する権利もないのですが・・・印象のみを。

人物像が、平板。とくに敵役曹操が、もう少し深く描けていれば作品に奥行きが出たのでしょうが。
でも、この映画少なくともPART1は、戦闘シーンの迫力が何よりの見所なので、
人物はこれで良いのかも・・・
お得意の戦闘シーンは、やはり飽きさせません。
特に斬り合いのシーンの血糊ブシューは、なかなかです。
一番よく出来たと思ったのは、冒頭趙飛が劉備の赤ちゃんを助けながらの斬り合い。
赤ちゃんのおくるみにも返り血がついて、怖い・・・
胡軍が、とても魅力的です。

さて、ryoakasakaさんも指摘なさったわたしも大好きなトニー・レオン・・・
どうしたのでしょうか?ちっともはまらないのです。
太ったのかしら?いつものちょっとやさぐれた魅力はなく、
かといって切れ者の将軍という雰囲気もあまりなく・・・もっさり。
小キョウとの濡れ場には、さすがに彼らしい魅力が出ていましたが・・・
曹操と周愈(あれ?字が違う?)が魅力的でないとこの映画、困るのです。
金城武諸葛孔明は、まあいいんじゃないでしょうか?
劉備については、よくわかりません。
そもそも「三国志演義」ファンではないので・・・
しかし、この頃日本は「魏志倭人伝」の時代。
中原の覇権争いで、さまざま戦術や謀略やがあった大陸に比して、
そのころの九州か大和かあたりは、顔に赤い刺青したシャーマンが司っていたのですね。

とはいえ、この映画は歴史的背景についての知識はほとんど必要なく、
曹操=周ユの妻に横恋慕するやら、皇帝を操って権力を恣にするやらの悪いやつだけど、すぐれた智謀。
劉備=民草や臣下を思いやる人徳篤い将軍
周ユ=文武両道に長けたイイ男・・・
といった、単純な理解でじゅうぶん楽しめます。
これら、武将達がさあ!赤壁にて決戦だ!ってところで終り、PART2に続く!
まだ始まってないなんて!ズルイ!

ちなみに、この作品では冒頭に美しい緋連雀が飛び、遠景には必ず白鳩の群れが横切り、
半ばからは、諸葛孔明のペット?としてアップで白鳩登場。
小鳥大好きなわたしは、喜んだのでした。