第91回 天皇杯決勝 東京×京都
みなさま。
新年おめでとうございます。
今年はできうれば災害の少ない平穏な1年であってほしいと願います。
さて、天皇杯決勝。国立参戦のみなさま、お疲れ様でした。
歴史的な瞬間に立ち会えたみなさまをとても羨ましく思います。
わたしは事情あってTV観戦でした。
試合は4-2とゴールが多く、シュートも19本対13本、お正月らしく華やかなものになりました。
京都は秋本選手が出場停止でいつものDFラインが変わったくらいで、いつもの通り細かくパスを繋いで前へ運ぶサッカー。
試合の入り方が大事だと思っていましたが、マリノスを破った勢いのままの京都に対して、東京の入り方も受け身ということはなく、序盤からシュートまで行っていました。
が、緊張からか前半途中までパスが弱かったので、ボールを獲られることがありました。
13分の失点は、最近の東京にしては珍しく守備が乱れました。
TVには苦い表情の今野選手が映りました。
久々の失点、ちょっと嫌な感じですが、思えばリーグの京都戦は大勝しているけど、必ず失点しています。さすが京都なのです。
このまま後半まで0-1ならまあいいかな、と早くも弱気な予想をするワタクシ・・・が、2分後にはCKから今ちゃんのヘディングで同点に。
京都は1点くらいの失点には動じないので、相変わらず前に前にきます。東京のパスは相変わらず少し弱くて、なかなかボールが落ち着かない。
が、押し合いをしているうちにFK獲得。
モリゲのすばらしい無回転シュートが入って勝ち越し。
そしてやっと落ち着いたのか、パススピードも出て来て、良い形になってきました。
京都はいつものCBがいなかったためもあるでしょうか、守備はあまり強くありませんでした。
それにGKの力も若干差があったようです。
相手のゴールキックを秀人が良いヘッドで送って、ルーカスが見事に抜け出してゴール。
2点差をつけて後半へ。
京都の若い勢いは怖いけど、もう負ける気はしませんでした。
後半はやや引き加減に、攻撃はシンプルにできるところはシンプルにしていました。
ルーカスの攻守にわたる活躍はすばらしく、ヤザーがボールを奪取すると駆け上がったむっくんへ、むっくんが(珍しく)良いスルーを出して、ルーカスが落ち着き払ったゴール。
相手DFを相手にせず。
相手ボールになったときはすぐに守備に入るし、本当に働き者のルーコンです。
権ちゃんのファインセーブもむなしく、CKから久保くん(さすが。でも秀人くんもっと寄せてほしかった)に決められてしまいましたが、その後は防ぎきって天皇杯優勝!
京都の若い選手たちは怖いもの知らずな勢いがあって、見ている者に爽快感を与えたのではないかと思います。彼らがこのまま伸びれば、とても強いチームになりそうです。
でも我らが東京も若い勢いに気圧されることなく、充実した力を見せてくれました。
直接の得点にはならなかったものの、2列目3列目が次々に走りこむ厚みのある攻撃もありましたし、相手が前に出てくるので、カウンターもうまくはまりました。
身びいきかもしれませんが、J2同士の試合だからといって、決してクオリティの低いものではなかったと思います。
それ以上に、誇っていい試合だったと言えるでしょう。
その要因のひとつに、西村主審のジャッジのすばらしさもあると思います。
むやみに吹かず、プレーを止めず、微妙なプレーには極力ファウルを取らず。
京都も東京もボールを大切にするプレースタイルですから、西村主審がなるべくボールがつながり、流れるようなプレーになるよう助けていたと思われます。
おかげでイエローカードもない良い試合になりました。
さらに試合後の京都の選手たちの、当然と言えば当然な礼儀正しい態度。
大木監督の指導力がここにも見えました。
東京サポ席にまで挨拶に来てくれて、東京の選手も京都のサポに挨拶しに行ったそうです。
いつぞやのナビスコ決勝のどこかのチームとは正反対の、フェアプレーでした。
試合後にも今までになかった感動を残したとしたら、やはりこの2チームを応援したことに東京サポも京都サポも誇りを持って良いのではないかと思います。