「ローマ法王の休日」

ナンニ・モレッティがイタリアのウッディ・アレンと呼ばれているとは、知りませんでした。
真偽の程はわかりませんが。
ウッディ・アレンは、食わず嫌いというかそれ以上にまったく食指の動かされない映画監督です。
たまにTVで垣間見てもやっぱりどこが良いのかさっぱりわからない。
しかし、ナンニ・モレッティの「親愛なる日記」は好きでした。ほかにはたぶん見ていないので、この映画の印象しかありませんが、愛すべき小品といった感じでした。
 
夏休みのある日、久しぶりに映画を見に行こうということになりましたが、そうなると最近は見たいと思うものがなくて困ります。
が、ナンニ・モレッティローマ法王の休日」ならば面白そうだということで、本当に久しぶり・・・東日本大震災以来初めて日比谷シャンテへ。
 
イメージ 1
 
ミッシェル・ピコリの演技を見るだけでもチケット代は取れます。
 
お話は、ローマ法王の逝去を受けて、枢機卿たちが新法王選び(コンクラーヴェ)をする、昔と違って法王の座につきたい枢機卿がおられず、選挙は何度もやり直しの末、まったく予想外な人が選ばれる・・・
選ばれたミッシェル・ピコリ扮するネルヴィル枢機卿は困惑の末、失踪してしまう
他の枢機卿たちも大困惑。
そして思いがけない結末を迎えてちょっとビックリしましたが、全編通してナンニ・モレッティヒューマニズムが感じられます。
 
実際にこんな結末では全世界のカトリック教会と信者が困って大混乱に陥ってしまうでしょう。
でもこんな人がペテロの鍵を受け継いで下さってもいいな・・・と思わないでもない、愛すべき人間像をナンニ・モレッティとミッシェル・ピコリは描いています。
 
ちなみに、コンクラーヴェでは枢機卿は禁足です。長引いてストレスのたまった枢機卿たちのために、セラピスト(ナンニ・モレッティ自身が演じ、この種の職業をおちょくって笑わせます)が用意したスポーツは、フットボールではなくてバレーボール。
イタリア(バチカンと別の国ですが)は、確かバレーボールも強かったはずだし、場所の確保もあり、またご高齢の枢機卿フットボールは命がけになるかも知れないと、ヘンに納得しました。