マッシモ東京を振り返る~その3.フォーメーションなどについて。付:ミステル惜別のスピーチ。

それまで勝ち点55が最高だった東京が63にまで伸ばして、最後まで3位争いをしたのですから、マッシモ監督は当然2016年シーズンも続けて指揮を執るものと思っていました。
そのサッカーの好き嫌いはともかく、当然評価されるべきだと思います。
ここまで書いてきたことも、これから書くことにおいても、それは大前提としてあります。
 
クラブのあり方については、14日の新体制発表会の後にでも書きたいと思います。
発表会の内容は書いちゃダメだから、おおむね今思っていることを書くんですけど。
 
 
さてと。
 
マッシモ監督の4-3-3ですが、結局失点は少なく、勝ち点は重ねたのですから、それでOKと言えるのでしょう。
しかし、ポポさんの時は負けなかった浦和になぜ2試合で8失点もしたのか。守備が良いといいながら、盤石だったとは言い切れないと思います。思い出すのもイヤなので、浦和戦は録画も消しちゃったから、一度しか見てないけど、結局中盤がまったくボールに触れなかったことが大敗の一因ではないかと。エラソーなこと言うなら、録画を見るべきなのでしょうが、イヤなもんはイヤなのさ。
 
 
失敗はありましたが、年間を通して選手たちはよくやったのではないかと思います。
マッシモ監督の功績としては、守備意識の徹底、常に集中を保ってプレーすることを選手に植え付けたところではないかと、そこはコーチ陣の力もあるでしょう。
 
マッシモ監督のサッカーは、リスクを極力避けるので、よっちのような個人で打開する選手がいなくなれば、得点が少なくなるのは当然かと思います。湘南みたいに「前へ前へ、ボールを失ったら走って取り戻しにいけばいいのさ」とは真逆、極端に言えば「ボールを失うリスクがあるくらいなら、出て行かない」って感じ。
 
ただ、マッシモ監督の選手起用には、大当たりの部分と、最後までよくわからない部分がありました。
最後までわからなかった部分の一番は、ヨネちゃんのインサイドハーフ
どうしても4-4-2で、秀人と2ボランチにすればいいのに、と言う思いは消せませんでした。ヨネちゃんはとてもよくやっていたと思うけど、この2年を見て、やはり守備の人という評価に変わりはなかった。ガンバ戦のようなすばらしい活躍もありましたが、この2年で飛躍的にパスがうまくなったとか、ボールがさばけるようになったとかは、感じなかった・・・
わたしの目が節穴なだけかもしれないけど。
4-4-2にした試合も、途中からそうフォーメーションを変えた試合は多くありました。それが必ず上手くいったわけでもないから、フォーメーションだけの問題ではないかもしれません。が、やっぱり安心して見てられるのは、こっちの好みのせいかもね。
それはともかく、ヨネちゃんは東京の中でも大好きな選手ですが、マッシモ監督の下では、期待したほど大きく伸びたとは思えません。
むしろ、今季前半は不調だった秀人の方が、後半期には前を向く迫力をもってきたのが印象的でした。
拳人のように上手くはまった例もあるから、選手起用の是非は簡単には決められません。
梶山が怪我をしてから、パスの出し手、ボールをさばける選手がいなくなり、しかし、拳人が出てきたおかげもあり、東が前に出たので、その分の働きをずいぶんしてくれました。
 
4-3-3のフォーメーションだと、広大なスペースができる中盤を走り回って守る、ということになり、河野もよく守ってくれたけど、そのぶん彼のいいところが出せなかったかとも思います。
選手には大きな負荷のかかる戦術だったと思います。
それがある程度結果を出したけど、昨季の終盤に失速し、今季も。CSがかかる重圧というメンタル面もあったでしょうが、終盤のホーム2連敗にもなったかな・・・
しかし、前にも書いたけど、こういう悔しさは今まで味わったことがない感情でした。
チャレンジするところまでは行けた。
そして挫折した。
それでも、ACLプレーオフを戦うという、物語はさらに続くことになりました。マッシモ監督の置き土産として、このプレーオフには是非勝ってほしいと思います。
 
 
 
最後に、すでに旧聞に属するのでしょうが、リーグ鳥栖戦後の監督会見について。
わたしは常々マッシモのコメントはJリーグで一番つまらない、と言っていましたが、この会見には感動しました。
普段は戦術的なことを話したくないということだと思いますが、本当に当たり障りもユーモアもないコメントばかりでしたが、最後ということで彼も思いが溢れたのでしょう。
特に彼の気持ちが率直に吐露された後半部分を抜粋します。
 
 
「世界レベルでは東京という街は誰もが知っている街だが、だからこそ本当に強いチームが存在するということは大事だ。
さまざまなスポーツがある。サッカーにおいては、東京には一番強いチームが存在すべきだと思う。
サッカーは競技人口を見ても,世界一のスポーツ。だからこそ、日本という偉大な,心から愛する国が将来もっともっと強くなって、この首都・東京のチームがもっともっと強くなってきてほしいと思う。
ただ、そのためにはディテールを大事にしなければいけない。さまざまな角度から物事も考えていかないといけない。フロントも、スタッフも、ジャーナリストも。サッカーが本物の文化としていかないといけない。
(中略)
 
私も今日は疲れましたし,残念な気持ちでいっぱいです。ただ、この仕事を愛しているし、このスポーツを愛している。この国を愛しているので。だからこそ本当の成長、向上をなすためにはしっかりと意見を言い合うことも大事になってくる。
 
この2年間でひとついいたいことは、いくつかFC東京の監督人事についての記事を読みました。私はそれに影響されませんでした。違いを作るのは、その記事ではなく、私たちの選手です。
 
選手、監督として30年間やってきましたが、唯一残念に思うのは、FC東京が重要なタイトルを争っている中で・・・。そういうときに何もそういうことについて話さないことが大事だと思う。最後の一日までこのチームのことだけを考えてやりたい。
もちろん来年に関しては、様子を見てみましょうと言いますが。」
 
 
ありがとう、ミステル。
首都東京におけるFC東京について、私も考えを少し変えました。今まではとりあえず残留、できれば一桁順位、といってたけど、マッシモ監督の言葉で。それについては、また書くつもり(また?)。
来季の東京も「様子を見て」いてください、わたしもマッシモサガンの「様子を見てみましょう。」