3月11日に聞くバッハ・マタイ受難曲~聖トーマス教会合唱団&ゲヴァントハウス管弦楽団

3月11日。
東日本大震災からちょうど5年、そして同じ金曜日。

この夜、まさかリーグ戦が開催されるとは、シーズン前には思いもせず、聖トーマス教会合唱団とゲヴァントハウス管弦楽団の演奏「バッハ・マタイ受難曲」のチケットを購入していました。



東京のホームゲーム神戸戦より30分早くに開演。
池袋の東京芸術劇場です。

バッハのマタイ受難曲
わたし自慢じゃないけどオンチなのですが、このバッハのマタイ受難曲は、クリスマス・オラトリオと並んで大好きな曲です。

味スタで、東日本大震災の被災者を悼んで祈りが捧げられていた頃、ここでは「ユダの裏切り」が歌われていたあたりでしょうか。


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トーマス教会合唱団のHP↓

(ドイツ語読める人はどうぞ。わたしはわかりません)

wikipedia引用↓
トーマス教会少年合唱団(Thomanerchor)は、ドイツライプツィヒの少年合唱団。日本語で聖トーマス教会合唱団トーマス教会聖歌隊などとも表記される(ドイツ語では語頭に「聖」を付けないのが正式)。変声前のソプラノアルト変声後のテノールバスによる四部編成で、団員は約100名。
1212年のアウグスチノ会トーマス修道院の創設をその起源とし、現在までトーマス教会を拠点に活動する。団員はトマーナー(Thomaner)、合唱団を指導する音楽監督カントル)はトーマスカントル(Thomaskantor)と呼ばれ、ヨハン・ヘルマン・シャインヨハン・クーナウJ.S.バッハカール・シュトラウベギュンター・ラミンなど著名な人物が多い。バッハは27年間にわたって合唱団を率い、共に『ヨハネ受難曲』『マタイ受難曲』などを初演した。現在(1992年 - )のトーマスカントルはゲオルク・クリストフ・ビラー(Georg Christoph Biller)。


但し、最後のトーマスカントルは、去年ゴットホルト・シュヴァルツに代わっています。


管弦楽団にはチェンバロとともにリュート奏者もいます。
リュートの人は、マインツのシュミット監督のお兄さんみたいな感じだった←わかりにくい(^^;)

このコンサート、アジアツアーということで、香港中国韓国を回ってきたそうです。
うちの8歳児とかわらないような子もいるのに、よく頑張ること・・・
で、ツアー中にエヴァンゲリストテノールがインフルエンザに罹ったとか(後ろの席の人がそう話していた)で、マルティン・ペッツォリトがテノールのアリアと兼ねて歌っていました。大熱演。

マタイ受難曲ですから、言うまでもなくマタイの福音書がそのまま引用されています。このコンサートでは共同訳聖書による訳が表示されていました。
中国でもこういうコンサートはOKなんでしょうか?聖書の持ち込みも外国人が個人用に持ち込むのは咎められないけど、中国人に贈呈などしてはややこしいことになると聞きましたが。

それはともかく、ツアーで疲れもあったでしょうが、いたいけな少年たち、と、青年たち、美しい声で美しくも悲痛な、そして崇高な曲を、3時間歌い上げてくれました。
小さい子も訓練されているのだろうけど、体力的にも大変だろうと思います。


多くの人もそうだろうけど、わたしの特に好きなアリアはペテロの否認の後、アルトの「憐れみたまえ、わが神よ、この涙のゆえに。」
タルコフスキーの「サクリファイス」のタイトルにもこのアリアが使われていて、映画にはちょっと不可思議なところがあるのですが、それでもタルコフスキーによる崇高な自己犠牲の姿が描かれていると思います。

3時間の演奏ですから、味スタの試合が東京の勝利に終わった後も、続いていたことになります。
試合に行けなくてホーム初勝利を見逃したのは残念だったけど、この日に聞く愛と赦しの音楽もまた、特別な意味があったように感じます。