J3で戦うということ~その2.東京U-23×FC琉球

その1に書いたように、U-23のJ3参入にはあまり賛成できないのです。
参入するならJFLからにして、J3昇格を目指すなら、まだフェアだろうかと思います。
と、しのごの言ってますが、それでも試合するなら、応援にいくというサポの性。

見に行けなかったけど、開幕戦はアウェイ相模原、0-1で負け。
相模原はJ3で昇格を狙える力があると思いますが、それにしても東京は、いいところなく負けたようです。
1失点なので、守備はそれなりに頑張っていたのでしょう・・・

そして第2節、ホーム開幕戦は西が丘にFC琉球を迎えて。
FC琉球は、ニューイヤーカップで対戦しましたが、そのときも小気味よくパスをつなぐ良いサッカーをしていました。
楽しみなチームです・・・とはいえ、対戦するにはイヤな相手です。
開幕戦でできが悪かったため、特別指定選手の矢島はベンチスタートでした。

オーバーエイジでGK圍、CB吉本、ボランチに秀人。
秀人は前日の鹿島戦、ベンチに入っていましたが、リードされ追加点を取られる展開だったので、出番がなく、こっちに回ってきたようです。ボランチは、秀人と野澤。
CB吉本の相棒に特別指定選手の山田が初出場。
SBには高校生岡崎慎くんと、今季トップチームに上がった柳。
バックラインのうち3人がプロサッカーの経験が浅い選手です。
FWに翔哉と幸野。前節矢島がダメだったのでこういう並びにしたようですが、あまりこれもうまくいったとは言えません。

このチーム、前日に20分ほど合わせるしか準備の時間がないとか、それじゃなかなか難しい・・・と、思う以上に、実際試合を見ると、かりにたっぷり合わせる時間があっても、そんなに勝てそうもないと感じました。
一昨年だったか、東京のU-18が天皇杯で当時の横河武蔵野と対戦したことがありました。
蓮川くんのゴールなどでリードするも、横河がオトナの底力を見せつけて逆転勝ち。
東京はU-18よりは年上だけど、相手は当時の横河よりプロサッカーチームとしての積み重ねがあるチームです。
そう考えてみても、簡単な試合であるはずない。



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(U-18の鈴木喜丈くん。終盤野澤に代わって出場)


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ベンチスタートのU-18松岡瑠夢くん。
途中出場で、素晴らしいゴールを決めました。



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柳かしら?



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安間監督。
こういう土偶いたような・・・


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3500人を集めて、オープニングには川内ネネちゃんとか誰かわすれたけどお笑いコンビにダンスグループが出てきて、賑やかに始まり。
琉球サポは50人くらいだったか・・・
琉球の選手は、のんきそうな顔した青赤のサポで埋まったスタンドを見て、それはもう絶対にふざけんなコノヤロー勝ってやる、スタンドを黙らせてやる、と燃え立ったことでしょう。
セカンドチームはどこが相手でもそう思われるはずです。
そういうある種の不条理に対する怒りを含んだ相手と試合するのだ、ということを、東京の選手は、サポは、わかっていたでしょうか。

しかし、集客でいえばJ3的には成功なので、J3クラブは歓迎してくれてるかもね。

試合は、序盤は秀人がさすがの強い当たりを見せたり、西ヶ丘なのでピッチが近くて迫力のある個々の攻防が見られました。
幸野がセットプレーのキッカーになっていましたが、あまり合わず・・・彼はいろんなポジションができるけど、どこも少し物足りない感じ・・・
頑張っているのはよく伝わってきますが。



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ユ・インスのドリブル。
なかなかシュートまで行けなかった。

前半も20分くらいから、琉球がポゼッションし始めて、そうするともう若い東京のバックラインは苦しい。
ボランチも、野澤にはあまりボールが収まらず、本当は彼からいいパスが出て攻撃に行くのだろうけど、守備に回る時間が長かったせいもあって、組み立てることもできません。
秀人は、強さは見せるけど、やはりこういうチームの中で、ゲームを作るようなタイプではないと思う。

結局、オーバーエイジで入った吉本、秀人は、良さを発揮すると言うよりは、欠点を見せてしまったような印象。
特に、吉本はもっとしっかりしないと、結婚もしたのだし。セットプレーでやられたのは彼一人の責任ではないけど、指示とか出せていたのかどうか?ビックリしたのは後半走れなくなってしまったこと。
HTに例の喫煙所では「吉本は山田頼みだな、これじゃトップチームでは無理だな」という厳しい意見もあったと、蘇我夫が言ってました。

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琉球は、昨季からうちでも注目している田中恵太、元緑の富所などが試合を作り、FW才藤は鋭いシュートを持っています。
東京のサイドが弱いと見るや、突いてきてSBもさんざん上がってくるし、サイドで仕掛けられると、高校生マコくん、頑張ってはいても、勝ち目はありません。
それでも耐えていましたが、前半終了間際に与えたFKを、新加入と思われるレオナルドに決められて失点。
高い打点のヘッディングシュートでしたが、マークはちゃんとついていたのか、そのへんの指示は吉本や圍がしたのか?

後半になると、さらに流れは悪く、あまりボールを触れないうちに、たまに持ったボールを自陣で失って見事なスルーパスを通され、才藤にきれいなシュートを決められ、いよいよ惨殺モードか、とワタクシ悲観的に。
とにかく、チームになっているかなっていないかの違いも大きいし、個々の力の差も大きい。
これは安間さんも大変だと思う。

ドリブルも速さも魅力的ではあるけど、効果的な攻撃にはつながらなかったユ・インスに代えて、U-18の松岡瑠夢くんIN.
なんかいきのいい感じだったので、ちょっと期待。
しかし、その直後やっぱり左サイドを破られ、フリーで(なぜフリー?)またもや才藤にヘッドで決められ、3失点目。
ううむ、やっぱり惨殺されるか・・・と、少し来たことを後悔し始める。




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安間監督、平岡翼に代えて、矢島投入。
平岡も守備に回るといいところが出せません・・・SBもトライしてたけど。
すると。
今度は琉球が羨ましくなるようなパスワークで(こういうの見たい、自分のチームで)、東京を崩して、圍と一対一になるも、なぜかシュートはポストに当たってゴールならず。
これが入っていたら、これでおしまいかもっと失点して完膚なきまでに打ちのめされて終わってた、と思う。

しかし、サッカーは面白い・・・
このプレーで流れは東京へ。

守備では苦労しまっくっていたマコちゃん、U-18のチームメイト、松岡瑠夢くんへロングパスを送ると、完全に裏を取ってゴールか、というところでGKに防がれる。
松岡くんの動きがいい。

こちらも守備に忙しかった柳くんがようやくクロスを入れると、矢島が走り込んでヘッドでゴール。
試合も終盤に、東京U-23の初ゴールが生まれました。
前日のトップチームも90分ノーゴール、その前の江蘇戦も90分ノーゴールだったから、青赤チームでざっと300分ぶりのゴールと言ってもいい。

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(ゴール裏のみなさん、写ってしまってごめんなさい)


矢島が入って、翔哉が1.5列に下がったので、ボールが受けやすくなったようでした。
翔哉のトップで、よろしくね、と言われてもボールはあまり来ないし、苦労していました。
ただ、前節矢島のできがとても悪かったそうなので、やむをえない配置だったかもしれません。
しかし、この日の矢島は名誉挽回とばかりに、とても集中したプレーを見せました。


翔哉と松岡くんとのパス交換から柳がシュート、GKの弾いたところに幸野が再びシュート、守られてしまいましたが、いい攻撃がやっと見られました。
でも、幸野のシュートはやっぱり入らないな・・・

そして、翔哉のパスを受けた柳が突破、クロスに松岡が走り込んで2点目。

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矢島がDFを背負っています。

松岡くん、J3最年少ゴールを記録。


なんだかイケイケムードになりましたが、このまま終わり。

前半FKを与えなければ、と悔やまれますが、内容から言えば、フェアな結果です。


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選手たちの表情も2連敗ですから、いまいち・・・

これでも前節よりは攻撃シーンが増えたらしいです。
守備は多少どうにか出来る部分もあるでしょう、セットプレーなどでは。

さて、試合経験を積む、という目的ならば、勝たなくてもまあいい、ということになります。
実際スタンドでは、「ふーん、琉球ってつおいんだ~」みたいな空気が流れ、そのうちに、まあ頑張ったからいいか、みたいな感じになっていました。
さらに、試合後引き上げる琉球の選手たちに東京サポから拍手。
スタンドの女性サポ(U-23おっかけ的な)グループ、琉球の選手たちが、ちょっと当惑気味に、あるいは照れながら軽く会釈しながら引き上げるのを見て、「カワイイ~~~」と、黄色い声を上げる。
ワタクシは、違和感でいっぱい。
いいわけ?こんなヘンなノリで?

むろん、ゴール裏はそうでもなかったでしょうが、メインではなんかヘンでした。

試合経験というけど、負けてばかりいたらモチベーションも下がって行きます。降格はないから、気持ちも入れ直しにくくズルズル負けていく可能性あり。
負けても得るものはあるけど、勝って成長する方がいいし、残る物も多いと思う。
とはいえ、J3で勝つために、てこ入れするほど台所に余裕はない。小川くんがSBで出るはずだったのを、トップにいるため、高校生が入っているのだし。

こういう悩ましい状況にいます。
それに試合経験を積むというのは、真剣勝負をする昇格を目指す相手にはやっぱり失礼だと感じます。

ただ、最後の15分くらい、相手を少しは慌てさせたと思うし、3-0のまま負けてしまうよりはずっとポジティブな終わり方をしたので、選手たちはそのイメージを持って次に真摯に臨んでほしいと思います。
特に、オーバーエイジの選手たちはモチベーションが難しいけど、責任ってもんがあるでしょう。
セレッソの清原を見習って下さい。

次は、含み笑いをした間瀬監督が待ち構える秋田です。
秋田も間瀬さんになってから、良いサッカーします。東京が天皇杯で当たったBB秋田とは違ってきています。
オシムさんの薫陶よろしきを得た間瀬さんのチーム相手に、未熟な東京の選手たちがどのくらいやれるか・・・3連敗しそうな予感もしてしまいますが、どうか悪い予想を裏切ってほしい。