第14節 東京×ガンバ ~気持ちだけでは。気持ちがなくては。

試合はどれも試合だ、と思うけど、やはり特別な試合というものはあります。

誰もがこの試合、勝たなくては・・・と、思っていただろうけど、そういう試合は難しくなるものだし、「ここぞ」という時にあまり結果が出せないのもわが東京。
そうはいっても、ここはどうしても勝ってあの辛さ悔しさを少しは拭いたい。

羽生のコメントは、多くのサポの共感を呼ぶものだけど、今回もこの試合の意味と、プレーにおける優先順位と課題と、諸々よくわかります。

その中にもあるように、ACLで本当に悔しかった、だからどうしても勝ちたいというところを見せなくてはいけない試合、だからこそ勝ってよかった。

相手は調子を上げてきたガンバですが、相性は悪くない。
というか、試合後に2002年以来味スタでは負けていない相手だったと知り、なんだどうりで負けた記憶がほとんどないわけだ・・
それはもしかすると東京にも運があったのかもしれない。
でも、もし負けたら、こんなに相性がよかったガンバに負けるとはやはり・・・と、また騒がしくなったでしょう。
ともかく難しい試合にはなりましたが、勝てばいつも嬉しいけど、こんなに嬉しかったのも久しぶりな感じ。



スタメンは、累積警告で出場停止のモリゲに代わって吉本、丸ちゃんのCBというところだけACL上海戦と変えただけで、後は同じ。
拳人の右SBも変えず。
なんか城福さんらしいというか、ACL敗退から出直すためには、同じメンバーでやり直そう、ということか。

試合は、ガンバの時間帯が前半途中と後半立ち上がりにはありましたが、ほぼ東京のペースでした。
スカパーのJ1リーグハイライトだと、東京が押され放しで、なんとかしようと入れた河野のFKでやっと・・・みたいだったけど、この編集はどうかと思うよ。
その後長谷川健太監督のコメントが続いて、彼の言うことが正しい。ハイライトの編集者の視点がおかしい。日本代表の宇佐美が不発、っていうことが大事だったようで。
内容は、アグレッシブに入った東京がペースは握るも、PA近くのプレーに難があり、決定機までには至らず・・・
ACL味スタでの上海戦では、前の東、前田、水沼の距離感がよくて、守備にも攻撃にも効いていたのに、アウェイ上海戦では前田が孤立気味でした。
このガンバ戦でも、3人の距離感はあまりよくないように見え、守備では前からいってたので全体にコンパクトになってよかったけど、攻撃になるとやっぱりなかなか決定的なシュートは打てない。
しかし、攻撃に厚みは出てきて、ヨネちゃんや秀人がシュート、特に秀人のバーに当たったシュートは惜しかった。
鳥栖戦でも秀人のシュートから攻撃が活性化したし、攻守の要として本当によくやってくれます。
あとはシュートが入ればいいんだけど・・・でも、ヨネちゃんのシュートよりはずっといい。
4本シュートを打ったヨネちゃん、どれもヘナヘナで可能性のないシュートだった・・・。


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羽生のコメントにあったように、ヨネちゃん、秀人、羽生の3人も距離感が大事だけど、羽生がうまくバランスをとっていました。
それにやっぱりランニングがすばらしいし、すごく良いパスが2,3本。
東か水沼あたりがすぐ反応したら点になったかもしれない・・・
前の選手、東と水沼の問題が、攻撃がなかなか実らないことになっているような気がする。
55分の攻撃は一番よかったけど、あれは外しちゃダメでしょ、宏太くん。


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(これは前半の秀人の惜しいシュート。)


ガンバの方は、いつからそうなんだか知らないけど(東京がリーグ戦不調のせいもあり、J1の試合は東京以外見てないので)、ヤットさんが前で、倉田秋と今野のボランチ
倉田秋は前にいる方がコワいような気がするけど、あちらにはあちらの事情があるんでしょう。
この試合は中盤の争いも楽しみと思ってたけど、気迫でも東京の勝ち。


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(ヨネちゃん、シュート上手くならないね~)


中盤の争いでも東京が優位で、ガンバにファウルが多くなり、東京は山のようにCKとFKをとったけど・・・
ほとんど決定機にならず。
CKから波状攻撃で徳さんのシュート、というシーンが一番惜しかった。


後半の立ち上がりは不安的中、ひやりとさせられました。
パトリックの抜け出しはやはり脅威です。
それでも、東京がまた盛り返す。
スカパーのゲストだったコースケ、さぞかしもどかしい思いで見ていたでしょう・・・が、アンタがいなくなったから苦労してんのよ。
東には何度もセットプレーの機会があったけど、どれも残念なキックに。
これだったらやっぱり諒也を出した方がいいんじゃ・・・とわたしが言うと、蘇我夫は「小川の守備は心配だよ」と。
帯に短し襷に長し。

それでも、マッシモさんも城福さんも東を使うのは、運動量が多く、守備では効いているからでしょう。
昨季の後半のような思い切りとキレが戻れば、もっとゴールに迫ることが出来ると思うのですが。

で、たぶん予定通り後半15分ほどで東に代わって阿部。
ファーストタッチできわどいシュート。
そして、水沼に代わって河野。
河野の方がうまいと思うけどね・・・

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ドリドリ仕掛ける阿部が後半入ってくるのは、やはり相手には嬉しくないんでしょうね。
今ちゃんのミスをついて阿部がボールを運ぼうとしたところを、今ちゃんファウルで止める。
そこでもらったFKを河野が蹴る。

後でスカパーで見たらコースケが「左のキッカーがほしいですね」と言ったと思ったら、河野が。

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前田の頭(というかおでこ)にピッタリ。
当たった瞬間、入る!
と、思うほどきれいな線を描いて、ボールはネットの中へ。

前田のシュートは90分でこれだけ。
前からの守備に奔走し、攻撃シーンではガンバDFに挟まれて思うようにできなかったと思います。
このゴールシーンの少し前には、悪名高き岩下に突き飛ばされたのに中村主審は不問に付し、岩下は前田のダイブだ、と不届きにもアピール。
ふふふふ、見たか。
どんな狼藉働いても、前田さんには効かないのさ。

得点後、前田の喜び方がすごくて、彼もだれだけ胸に詰まっていたか苦しかったか、伝わってきました。



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(得点者の隣に29番あり。まーこの場合はセットプレーだけど)


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最後にソウタン投入。

80分の得点で、残り10分強。
どん引きしないでなるべくボールを持つように、前で時間を使うようにしたのは、上海戦の反省を生かしたよう。

ガンバは、なんと今ちゃんをFWにしてパワープレーをしかけたのかもしれないけど、パトリックは下がってしまったし、ちょっと中途半端だった。
しかし、おそらくパトリックの交代はフィジカルが理由でしょうし、試合後長谷川監督が言ったように、ガンバはボールを保持しパスをつないで攻撃してこそ、というスタイルがある。
高さはなくても、そうすべく選手を交代したのでしょう。
そういうガンバの志は、わたしは好きです。


東京はたいへん上手く時間を使って、試合を終わらせました。



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ヒーローインタビューの後、バックスタンドを回る前田と丸山。
モリゲいなくても、良い守備でした。
吉本も頑張った。

SB拳人もだんだん良くなってきたと思う。
まだクリアを中に入れたりしてるけど、拳人のポテンシャルはやっぱり高い。
選手間の競争も激しくなりますね・・・

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そして、しばらくリーグ戦は中断。
負けたらずっといやな気分で過ごすことになるので、本当に勝って安心。


37,000人以上の観客、特に子どもたちに勝利を見せられたことも良かった。


こういうとき、小津安二郎麦秋」の杉村春子風に「ああ良かった。すっかり安心したわ」と、うちでは言うことになっております。
すっかり安心、かどうかはほんとはわからないけどね、ともかく2週間ほどは心安く過ごせます。