第4節 東京×川崎 望外のゴール。

多摩川クラシコ」という呼び方は、なんだかこそばゆくてあまり好きではないのですが、同じ時期に昇格した近場のライバルではあります。
そして、多摩川下流のライバルは、賢いチーム作りを地道に(等々力をホームにしていた某緑チームを反面教師として)行ったおかげで、東京よりずっと強く、志の高いサッカーをするチームになりました。
わたしもあっちの方に住んでいたら、間違いなくフロンターレサポになったのではないか、なりたい、と思います。
と、言ってもあたしゃ東京サポだから。

前節ガンバにかなりイヤな負け方をして、せっかく開幕2連勝できたけど、勝った試合の内容からも見えた課題がはっきり露呈してしまいました。
それでもまだ3節、選手も変わった中で、チームができあがっていないのはある程度仕方ありません。
川崎は監督が代わったけど、サッカースタイルは基本的に継続され、大久保がいなくても、小林悠がゴールを重ねていますから、チームとして東京よりできているでしょう・・・

で、試合前には川崎にやられた数々のシーンが思い出され、さらに直近の天皇杯でもチームの完成度の違いを見せつけられたことを思い出し、ずんずんとネガティブに・・・



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川崎サポのコレオ。


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東京ゴール裏のコレオ。
バックスタンドにも”TOKYO"の文字が浮き出たコレオがありましたが、わたしはバックスタンド上階にいるので見えなかった。


クラシコっぽい雰囲気が盛り上がる中、「ドローで御の字」と、あくまで弱気なワタクシ・・・


水曜日のルヴァンカップで活躍した翔哉、阿部拓がスタメンに。他はガンバ戦と同じメンバー。

試合は。
立ち上がり、いきなり攻め込まれCKを与え、憲剛の恐ろしいキックがニアに入って合わされたらおしまいと、肝を冷やす。
林がセーブして事なきを得たけど、早々に失点したら、全然違う試合になっていたでしょう。
試合の入り方は川崎の方がよかった・・・
気が小さいわたしは、ますます「なんとか無失点でドロー」と・・・
その後ずっと川崎にポゼッションされていたような気がしてたけど、うちで録画(またNHKでやってくれた、ありがたや)を見たら、そうでもなかった。
徐々に互角の勝負になっていきました。

篠田さんも言っていたように、ガンバ戦では見られなかった厳しい守備が甦り、前からの守備もうまくはまっていました。

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オフサイドになったけど、前半の大久保の見せ場。
阿部拓のクロスに合わせたけど、惜しくもオフサイド


危なかったのはそのすぐ後に登里のドリブル突破を抑えきれず、シュートを打たせてしまった場面ですが、林がキャッチ。マルくん振り切られたし、モリゲが離れたのは、小林悠とか阿部浩之とかも気になったからか?


東京はショートカウンターのチャンスもあり、まずまずの内容で後半へ。
某マスコミの記事では東京は前半全然ダメ、と書いてたけど、そんなことはありません。

HTになってもわたしの弱気は変わらなかったけど、勝機がなくはない、とも感じていました。

後半も立ち上がりは川崎の方が勢いがあり、またもいきなりシュートを打たれたり、CKを与えたり。
しかし、相手の精度が良くなかったせいもあり、無失点。
川崎が勢いを持つなかで、拳人がファウルしてイエローカード
相手の足を踏んでしまったのだけど、次のファウルの方がもっと悪かったので、退場でも仕方なかったと思う。
しかし、この日頻繁にファウルをとっていた飯田主審、拳人の二度目のファウルには注意のみの温情。
川崎側には納得いかないレフェリングだったと思います。
ピーピーとプレーを途切れさせた飯田さんの笛は、どちらかというと東京に有利に働いたかも。パスをつないでリズムを作りたい川崎の方がイヤだったでしょう。
でも、そんなに悪いレフェリングではなかったと思う。


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拳人のシュート。良いシュートでしたが、GK正面。
危なっかしいファウルはあったけど、こういうふうに前に入っていくのは拳人のいいところ。


後半15分を過ぎるとそれぞれの監督が動き出し、篠田さんも永井に代えてピーター・ウタカを投入。
永井は速さは魅力だけどあまり上手くはないようで・・・守備もやるけどやっぱり上手いとは言えない。
先発で使うのは、彼に走らせて相手を疲れさせる要素もあるのかしら。
で、ルヴァン仙台戦で見事な東京デビューを果たしたウタちゃんです。
本当にサッカー頭が良いとはこういう人なんだろうな。このチームで一緒に練習した時間が一番短いのに、一番チームメイトの動きがわかっている。
ワクワク感がわいてきます。

そして、これ以上ファウルしたら退場させられそうな拳人に代えて、ソウタン。
ファーストタッチでいいパスを出しました。

川崎はエドアルド・ネットがOUT。
ここが肝だったような気がします。
エドゥアルド・ネットが中盤の底で東京のボールを刈り取り、前に繋げていたので、とっても邪魔な存在でした。東京にとっては攻撃時にあった壁がなくなったようなもので、やりやすくなったような気がするし、川崎DFは直接東京の攻撃にさらされるようになったのではないかと思います。後半に入って、エドゥアルド・ネットにもミスが少し出ていたので、疲労のせいか、あるいは長谷川竜也くんを入れて攻撃に圧力を増そうとしたのか、よくわかりません。

お互いにチャンスはあり、アグレッシブな試合になりました。
途中出場のハイネルのシュートに一瞬ヒヤッと。東京もシュートは多くはないけど、可能性は感じられる展開で、気がつけば70分過ぎ。

ヨシトさんが何度か試みたスルーパスが、今度はオフサイドにならず阿部拓に渡り、エリア深くからクロスを送ったら、田坂の足、チョン・ソンリョンの足、と当たってゴールへ。
またも強豪相手にオウンゴールで先制。






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もうこのまま逃げ切って、とどこまでも控えめなワタクシ。
しかし、この日の東京の選手・・・特に13番と9番には、これで引き下がるつもりは全くないのでした。


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ウタちゃんと併走するソウタン。
ソウタンがなんだかとても楽しそう。


2点目は、待ちに待ったコースケのプロフェッショナルなクロスから。

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コースケのドンピシャのクロスにピーター・ウタカの見事なボレーでゴール。
クロスで勝負あったけど、ウタちゃんのボレーもすばらしい。


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ウタちゃんをおんぶするコースケ。
これは、ルヴァン仙台戦を見た人には笑えます。

2度の得点の後、同じようなペナ近くの位置で川崎にFKを与え(ソウタンに警告、やっぱり厳しい守備をしているのだから仕方ない)、憲剛が蹴るというイヤなシーンがありましたが、この日はACLの疲れでしょうか、精度を欠いてそんなに脅威にはありませんでした。でも、わたしの心臓には悪い~

そうこうするうちにアディショナルタイム5分。
この日もアグレッシブだった翔哉ですが、ゴールはならずここで徳さんと交代。
5バックにして試合を終わらせる・・・つもりだったのだと思われますが、試合はもっと劇的に終わりました。
セカンドボールを拾って、お手本のようなワンツーで、ウタカからヨシトへ、GKと一対一になったヨシト、冷静にゴールへ流し込む。ゴール前の落ち着き、さすが。


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その後またもペナ近くでFKを与えるも、川崎は再三のFKをものにできず、3-0で東京の勝利。
わたしには望外のゴール(2-0で終わったって構わなかった)でしたが、チームとしては、大久保に初ゴールが生まれることはとても意味のあるものでした。
彼には大きなプレッシャーがかかっていたでしょう。
東京としても、彼にゴールがないことでいかにもチームの未熟さが出ているみたいで(その側面もあるし、チームが違えば、合わせるのには時間がかかるのも当たり前だけど)なんだか気詰まりですし。

それでも1点目にすぎないのですが。


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ウタちゃん、いいひと。
この後、全員集合。ヨシトも苦しかったんでしょう。
ガンバ戦では行き過ぎでしまったけど、彼のサッカーに対する熱情はすばらしいなと思います。
翔哉もサッカー大好き、向上心の塊だけど、翔哉はまだ自分のことで精一杯な感じ、というかそういう人なのかな。


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と言うわけで、望外に面白い試合でした。


これで代表戦があり、J1はしばらく休み(土曜は湘南に行くのさ。ジェフ、連敗はしないでね)。
開幕4試合で3勝1敗。
ガンバ戦はちょっとダメだったけど、悪くないリーグ序盤戦でした。
何より、ピーター・ウタカをローンですが取れたのは、とても良かった。清水の頃から良い選手だと思ってはいたけど、ホントにうまいし、賢いプレーが出来ます。
プロフェッショナルの名にふさわしい選手です。
中断明けにはもっとコンディションが上がってくるのではないかと。
楽しみ~