ヨコハマ・フットボール映画祭2018「ベイタル・エルサレムFCの排斥主義」
最近、すっかり映画を見なくなってしまいました・・・
好きに撮ったのがよくわかるものでした。
映画的なもの、としてはこれをもっと書く方がいいのだろうけど、11日に見た作品もなかなかのインパクトだったので、記憶のちょっとでも新しいものを。
今年も「ジョホールバル1997 20年目の真実」という作品が上映されましたが、わたしは11日に行ったので、上映日が違って見ていません。
上映作品の中で、見たいと思ったのは”You'll Never Walk Alone"と「ベイタル・エルサレムFCの排斥主義」の2本だったのですが、YNWAは前売り完売。
「ベイタル・・・」を見ることに。
会場の開港記念館には、なんかそぐわない感じの雰囲気を漂わせたヒトビトが出入りしていました。
そんじゃま、と入ったらまだ前の作品「ユベントス・ストーリー」をやってる。
あーた、わたしはナンも不正は働いてないからね、お入り下さいと言われたのだからね、30分ただで見ちゃいましたが。
でも、お金払わなくてよかった、これはユヴェンティーノでなければちっとも面白くない作品でした。
また前振りが長すぎた。
ベイタル・エルサレムFCの排斥主義
宗教、政治、金、差別、暴力、、、私たちにもありうる未来
イスラエル・プレミアリーグにて、唯一アラブ人選手を受け入れてこなかったベイタルFC。あるシーズンの半ば、会長が、2人のチェチェン出身の選手を獲得する。ロシアとのビジネス拡大が目的だ。イスラム教徒の加入に、サポーターは猛反発、応援を放棄し、選手たちを脅迫するものも。
(映画祭の紹介記事を借りました)
原題"Forever Pure"は、ベイタル・エルサレムFCサポが掲げている言葉。
この作品、映画としてどうか・・・と言う部分では、ドキュメンタリー映画について考えさせられます。
内容としては、すでにこれはフットボールではない。
と思うと同時に、これはフットボールの深層にあるものだ、とも思う。
いわば、エゴイストしか出てこない。
声が大きくて、力があって、コワい連中が、恐怖によって事態を思い通りに動かしていく・・・スタジアムには、彼らを支持していないサポーターもいたでしょうけど、彼らがこわくて逆らえない。
それを承知で彼らは、その言動をエスカレートさせていく。
気の毒なのは、選手たちで、チェチェンから打算でつれてこられた(オーナーは彼らがどんなプレーをするのか知らないし、関心もない)二人のイスラム教徒の選手は本当に針のむしろに座っている、身の危険すら感じるであろう立場に置かれます。
彼のゴールの後、全く目を疑う光景が展開されます。
映画では過激サポの映像が数多くありました。彼らは写されることもまったくいとわず、それどころか、映像になることがプロパガンダとなる、と考えているでしょう。
この映画のこわい部分は、見る人によっては、彼らラ・ファミリアに共感してしまうかもしれないというところ。
制作者の意図はむろんそうではないでしょう。
この映画を見て、「イスラエルってイヤな国だ」と思うのも、「うちは日本でよかった」と思うのも、まあ自由ですが、それだけでは、見た意味はないでしょう。
人間のやることは、どこにでも起こりうる。
赤サポが”JAPANESE ONLY"という弾幕を出して問題になったのはほんの少し前。
そういう排斥主義は、赤サポに限らず、どこにでも存在しうるし、その不寛容な傾向は世界的に強くなっている。
日本でも。
それはさておき、植田朝日監督作品はどんなだったのかしら?