トゥヤーの結婚

この更新の遅さのとおり、最近ほんとうに映画を見なくなってしまいました。
あまり見たい映画がない、ということと、昔みたいにマメにチェックしなくなった・・・
もともとハリウッド映画には興味がないので、それなりにチェックしていないと
良い映画には当たらないのですが・・・
「トゥヤーの結婚」はベルリン映画祭でグランプリをとったので、
最近不精なわたしにも、その情報が届いていました。
事前の知識はそれだけ、プログラムも買っていないので今もそれだけ。
感想としては、なかなかにおもしろい作品でした。
内モンゴルの厳しい環境の中、牧畜を生業としている夫が、
足を骨折して歩けなくなり、家事生業一切を背負った女性の話。
というとおそろしく暗く重く響きますが、
実際はそれほど重く描かれず、不思議にとぼけた味がありました。
映像もワン・チュアンアン監督、なかなかです。
最後まで、わたしにはナゾとしてのこったのが、時代設定でした。
ガスも水道も通っていない生活をしているけど、
まあそんなところは世界中あちこちにあるから、現代か?
でも、ふんいきからして50年くらい前か?
と、見ているうちに町の役場みたいなところに赤茶けた毛沢東のポスター。
文化大革命直後なら30年近く前、赤茶けているから20年前?
と、また今度は携帯電話が出てきた!
しかも初期の大きい機種ではない。
では、やはり今の話なのだ。と、わかる頃には話は半ばにさしかかっていました。
それほどに、わたしに内モンゴルに関する知識がないということですが、
それほどに、昔からのやり方で牧畜民の暮らしをしているのだ
ともいえるでしょう。
ストーリーはファーストシーンで感じたとおり、
収まるところに収まって、トゥヤーがはじめてみせる涙で終わります。
けんかしながらもなんとかやっていくのだろうな・・・
社会派の映画、というよりは、トゥヤーという女性の強さや美しさやたくましさ、
といった魅力をたぷり描いた作品でした。
それに引き換え、男たちはなんだか情けない・・・
という対照もまあ、ありがちではありますが、
ひとりひとりが結構面白く描けているので、退屈はしません。
中国は既に映画では先進国であることを認識させられました。