レンブラントの夜警

ピーター・グリナウェイの「レンブラントの夜警」を観ました。
グリナウェイの映画、好きな人は好きなのだろうけど、私はどうも苦手。
YAHOOユーザーの意見は、「わけわかんねえ~!」とか「裸のおじさんがなんか叫んでいる?」とか、
あまりかんばしいものではないか、まあそうでしょう。
TVのCMを観て、R15だからって、なにかそんなシーン満載なのかと期待していくと、
かなり退屈するでしょう。
日曜午後に行ってみると、ほぼ満員、どうも映画好き、グリナウェイ好きというより、
レンブラント好き、フランドル絵画好き風の中高年オジオバが客の半分以上か・・・
ウチもオジオバなのだけど、グリナウェイ大好きな変わり者の夫と、
あまり好きでないけど、まあこの素材ならがまんできるかも、という私。
実際、あなた、これはグリナウェイにしては、大変わかりやすい作品でした。
あの「枕草子」だの、何とかの腹だか胃だかなどに比べれば、
「フーン、ピーター、あんたもちょっと興行収入考えたね」と言いたくなるような。
夜警に描かれた人々も、レンブラント自身もほんとにしょうがない人たちで、
相当に残酷でもあり、滑稽でもあり、
映像的にはまさに映画らしく、なかなか面白いものでした。
そして、終局に近いところでのセリフ!これには苦笑い。
レンブラントは、フランドル人というよりは、イギリス人のようだ・・・
皮肉屋で、気難しく・・・(だったか、記憶不確か)」
自分で言うかなあ・・・
すると、グリナウェイはレンブラントのひねくれぶり?に共感しているわけでしょう。
考えてみればしつこくサスキアを描き、自画像を描き続けたレンブラントに、
なにかにこだわるとそればかり描くグリナウェイ、似た感性の持ち主なのでしょう。
そのセリフには、全く同感です。
そして私は、グリナウェイは粘着質過ぎてダメですが、
映画もハリウッド映画よりヨーロッパ、ロックもアメリカよりイギリス、
サッカーは言うまでもないか・・・
特に誰といえば、後年ハリウッドにいったものの、トニー・リチャードソン
古い映画ですが「マドモアゼル」や「ラブドワン」の意地悪さ。すきです。
ロックで言えばRストーンズはもとより、アイルランドU2大好き!
リチャードソンとグリナウェイ、どちらもやっかいな人ですが、
たぶんリチャードソンの方が単純でわかりやすいでしょう。
意地悪さもストレートで・・・
ともかく、レンブラントが好きで観に来たらしき老夫婦は、
「難しかったですねえ」と、ため息をついてお帰りでした。
ちなみに、レンブラントの絵そのものも実はあまり好きではありません。
お定まりに、フランドルならフェルメールです。