家で映画でも〜「イエスタデイ」
新型コロナの状況はこれまでより悪くなっているのに、諸々理由はあることですが、外出自粛とはならず、もうどこで感染しても不思議ではなくなりました。
こっちは退院したけど治療継続中の身、フクアリはもちろん味スタにも行かず、なるべくうちに籠っているしかありません。
それでも世界中でサッカーはあるので、特に週末は忙しいのよ、DAZN見るのに。
イングランドPLとセリエAとジェフと東京(今はACLで留守)と秋田などを全部チェックすると、火曜日あたりまでかかっちゃう。
で、「家で映画でも」ってことになかなかならないのです。
が、この週末はジェフが負けてしまった(ユン様、前節のままだったらよかったのに〜)し、東京はいないのでJ1、J2を見る気が起きず、そうだたまには映画見よう、ということに。
夫が香港便の中で見て、時間が来て途中で終わっちゃったという、フライト短め国際便あるあるの悲劇に見舞われた作品。
(久しぶりだからお断りしますが、ネタバレとか全然配慮なく書いています)
「イエスタデイ」
監督 ダニー・ボイル 脚本 リチャード・カーティス
2019年、イギリス制作
ダニー・ボイルといえば「トレインスポッティング」で強烈な印象を与えた監督。
ずいぶん前に見たけど、ユアン・マクレガーがバスタブに浸かりながらキンクスの"You Really Got Me"を歌う場面など忘れられません、つい一緒に歌っちゃったし(トシヨリ)
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「スラムドッグミリオネア」で一躍アカデミー賞を受賞して名声が上がったけど、アカデミー賞作家というよりは、イングランドでこの作品のようなものをこしらえているのが似合うような気がします。
「世界から猫がいなくなったら」とか言う映画があったけど、これは「世界にビートルズがいなかったら」。
スラムドッグミリオネアでもそうだったけど、この作品の主人公ジャックはインド系。
見た目もアレで売れないミュージシャンのジャック、彼を可愛くて優しい幼馴染のエリーがマネージャーとなって支えている。二人は好感を持ちながら、なかなか気持ちを表せないでいる。そこのところ、微笑ましい展開で好きです。
もうミュージシャンを諦めると、とジャックが両親(マイペースで空気読まないけど、愛情深い)や友達に言い、エリーにも伝えると怒ったエリーがジェックを置いて帰ってしまう。その時なぜか世界中で12秒停電し、暗闇の中でジェックは事故に遭う。
前歯を失ったくらいで大怪我はしなかったジェックは、世界が停電前と決定的に違っていることに気がつく。
ビートルズが存在しなくなっている、というのか、人々の記憶から消え、PCでググっても、昆虫のカブトムシしか出てこない。
彼はビートルズの曲をあらん限り思い出し、オリジナルのように歌って、当然これが受けて、注目されるように。
本物のエド・シーランが登場して、彼を天才だと称賛する。
ロシアでエド・シーランの前座として出演、これも当然"Back in the USSR"を歌って大喝采。
そしてあっという間にアメリカ、LAへ、スターダムを登る…
LAの女子マネージャーがやたらにカルカチュアライズされていて、おかしい。
控室に中年の男女(関係ない他人)が来て、彼らもビートルズの記憶が失われていないことを告げる。
ここで二人にひどいじゃないか、と詰め寄られるのかと、ジェックもわたしも思ったけど、二人に「記憶を残してくれてありがとう」と感謝され、歌詞の記憶違いや、エド・シーランが勝手に変えたタイトルについてなんだ?と指摘する。
ジュードは古臭いからデュードにしろだって。
そういうセリフを言うエド・シーランも面白い。
二人のビートルズ記憶者から示された住所にジャックがいくと、そこには…
12秒の間に生き返って年寄りになり、世捨て人のような生活を送る、しかし幸せなジョンがいる。
ジョンとの出会いの後、結局、ジャックは故郷サフォークでのコンサート(ビートルズを知る人ならわかるステージ)で真実を告白し、エリーへの想いと、良心と、ビートルズへの愛にしたがって、楽曲全て無料ダウンロードにしてしまいます。
海辺の片田舎サフォークでエリーと暮らし、中学生にビートルズを教える幸せそうな、こざっぱりしたジャックの姿で映画は終わり。
これはマニア的なビートルズファンだと気に入らない作品かもしれません。
ニヤ、っとしてしまうビートルズへのオマージュ的なシーンやセリフはありますが、マニアックな人なら"Eight Days A Week"を何回でも見た方がいい、と言いそうです。
これはダニー・ボイルやリチャード・カーティスのビートルズ愛の結晶と思われます。
ビートルズの記憶を伝える歌手が、イングランド人でもインド系であることも、あえて実際のメンバーとは違うイメージの人を選んだのだろうと思います。
ヒメーシュ・パテルという俳優が実際に歌っているようですが、とりわけクセのないビートルズを歌うには良い声ではないかと。
おじいさんのジョンを描いたのも、気に入らない人はいるでしょうが、わたしは彼が存命ならこんな感じかも、と思いました。このことがジャックが真実を言うきっかけになったはずです。ただ、その描き方はちょっと薄いかな。
これは、ストーンズではなくビートルズでなくてはならない(ストーンズファンなのでつい考える)。
むろん楽曲も違うけど(改めてビートルズはリリックもすごく良いなと感じた)、ストーンズはおじじになったとはいえ、現存するバンドですから。
ビートルズは、世界中でその音楽が愛されているけど、すでにバンドとしては失われていますから。
物語にする上ではビートルズでないとね、何かとね。
ともかくジェックはエリーとサフォークで幸せに暮らし、ビートルズの美しく、いつまでも古びない音楽が彼によって継承されていきます。
サフォークのちょっと田舎っぽい感じがとても好き。
ふ〜ん、イングランド・リーグ1のイプスウィッチ・タウンはここか←
またどうでもよさそうなことを言ってしまった、最近上がってこないな←だからあ。
(何をどう間違えたか、自分の記事に3個もいいね!しちゃった…
消せないんですけど…決して本意ではないんですけど…)