パウル・クレー おわらないアトリエ

竹橋の近代美術館で開催されているパウル・クレー おわらないアトリエ」展。
9日土曜日、フクアリに行く前に観てきました。
クレーの展覧会はずっと前にBunkamuraで、相当な作品数のものがありました。
今回はそのときほどではないと思いますが、とても面白い企画でした。
 
「展覧会趣旨」によると、
 
国立近代美術館で初となる今回のクレー展では、今までの展覧会成果を踏まえた上で、これまでクローズアップされてこなかった「クレーの作品は物理的にどのように作られたのか」という点にさまざまな角度から迫ります。この観点から作品を見てみるならば、視覚的な魅力を体感できるのみならず、その魅力がいかなる技術に支えられているのか、ということまでもが明らかになるでしょう。
クレーは1911年から終生、制作した作品の詳細なリストを作り続けます。1883年、画家4歳のときの作品を手始めに、約9600点もの作品からなるこのリストには、作品のタイトルのみならず、制作年と作品番号、そして使用した材料や技法などがこと細かに記されています。「何を使い、どのように作ったのか」ということは、この画家にとってきわめて重要な関心事だったのです。
その「制作プロセス」を、クレーは、アトリエ写真というかたちで記録に留めたり、自ら「特別クラス(Sonderklasse)」と分類した作品を模範作として手元に置いたりしながら、生涯にわたって検証し続けました。 具体的な「技法」と、その技法が探究される場である「アトリエ」に焦点を絞り、クレーの芸術の創造的な制作過程を明らかにしようする本展において、鑑賞者は、ちょうど画家の肩越しに制作を垣間見るような、生々しい創造の現場に立ち会うことになるでしょう。

 
 
4歳の時からの自作をリストアップするって、なんでしょう?
相当な自己客観化ということでしょうか。
彼自身が選んだ「特別クラス」の作品がいくつか来ていますが、これも面白い。
なるほど~と思う作品もあれば、なんでこれが特別?と思うものもあり、クレーに聞かなくてわからない・・・そして、ひとつひとつに「特別」である理由がついています。
 
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「花ひらいて」これは「特別クラス」ではなかったと思いますが、一番知られ愛されている作品でしょう。
1934年のこの作品、1925年の「花ひらく木」からどう変化展開したかなどの解説があります。
アトリエの写真と実際の作品、作品の手法など興味深い企画です。
 
クレーは日本でも人気があり、なんとなく愛嬌のある図柄も多いですが、この展覧会を観ると知的な理論家であるうようです。
 
一緒に行った夫は「印象派とクレーは同じ人間の中に同居しない」と言いました。
印象派といってもいろいろですが、可視的な自然の光を表現することを目標としたものです。
クレーは・・・見てのお楽しみ。(というか、パラグアイ×ベネズエラのコパ・アメリカ準決勝の延長戦が面白くて、こっちに集中できない)
 
ともかく暑い日に冷房の効いた美術館はよろしくてよ・・・と思ったら、ここも節電であまり涼しくなかったのでした。
その後フクアリへ行って、またすごく暑くてしかも引き分けだったのでした・・・・・・