METライブビューイング「ドン・ジョヴァンニ」「遙かなる愛」
METのライブビューイング2016-17シリーズ全10回が始まりました。
去年の11月のワーグナー「トリスタンとイゾルデ」が第一回上演だったのですが、いつも一緒に行ってる友達も、5時間はちょっと・・・と言うし、ワーグナーは某大阪在住青赤サポさんに任せよう、ということでスルー。
それで、1月に見たのが「ドン・ジョヴァンニ」。
指揮:ファビオ・ルイージ 演出:マイケル・グランデージ
出演:サイモン・キーンリーサイド、ヒブラ・ゲルツマーヴァ、マリン・ビストラム、セレーナ・マルフィ、ポール・アップルビー、アダム・プラヘトカ、マシュー・ローズ、クワンチュル・ユン
サイモン・キーンリーサイドは現代最高のドン・ジョヴァンニ歌いらしいのですが、改めて聴くとタイトルロールには意外と印象的な曲がなく、彼のU2ボノ風容貌がなんとなく知的な感じもします。
しかし、現代ならこの人、絶対逮捕されるわ~っていうあくどさ。最後まで悔い改めなんぞしない徹底ぶりがすごい。
でも二人のアリアはきれいです。
従者レポレッロ、ドンナ・エルヴィーラと村娘ツェルリーナは個性豊かでこの劇を面白くしています。
ドンナ・エルヴィーラがドン・ジョヴァンニに化けたレポレッロにまんまとだまされてしまうなんて、いくら昔で夜は暗かったにしたって、どうもおかしい。実は気がついたけど、ま、こいつでもいいか、と思ったんじゃ?
そんなこんなを思いながら楽しんだのでした。
(写真はすべてMETライブビューイングHPより借りました)
で、2月の演目。
カイヤ・サーリアホの「遙かなる愛」。
指揮:スザンナ・マルッキ 演出:ロベール・ルパージュ
出演:スザンナ・フィリップス、エリック・オーウェンズ、タマラ・マムフォード
- 上映時間
- :2時間51分(休憩1回)[ MET上演日 2016年12月10日 ]
- 言語
- :フランス語
理想の女性に、真実の「愛」に出逢うため、遥かなる海を渡る騎士歌人!21世紀を代表する女流作曲家K・サーリアホによる、「愛」の極限を追求して数々の賞に輝く現代屈指の名作オペラが、話題のMET初演!「シルク・ドゥ・ソレイユ」で世界的な人気を博するR・ルパージュが演出する、約5万個のLEDライトが輝く「海」は圧巻!新世代の歌姫S・フィリップスとベテランの巧さが光るE・オーウェンズの主役カップルも強力だ。
12世紀のフランス。ブライユの領主で騎士歌人(トルバドゥール)のジョフレは、享楽的な生活に飽き、理想の女性を求めていた。そこへ現れた巡礼の旅人から、トリポリの女伯爵クレマンスこそ自分が求める女性だと知り、憧れをつのらせる。クレマンスもまた巡礼の旅人から受け取ったジョフレの詩を読み、まだ見ぬ彼に恋心を抱いていた。ついにジョフレは、海を渡ってクレマンスに会いに行くことを決意するが、トリポリに近づくにつれて不安がつのり、心身をさいなみ始める。トリポリに上陸した時、ジョフレは病に冒されていた…。
12世紀のフランス。ブライユの領主で騎士歌人(トルバドゥール)のジョフレは、享楽的な生活に飽き、理想の女性を求めていた。そこへ現れた巡礼の旅人から、トリポリの女伯爵クレマンスこそ自分が求める女性だと知り、憧れをつのらせる。クレマンスもまた巡礼の旅人から受け取ったジョフレの詩を読み、まだ見ぬ彼に恋心を抱いていた。ついにジョフレは、海を渡ってクレマンスに会いに行くことを決意するが、トリポリに近づくにつれて不安がつのり、心身をさいなみ始める。トリポリに上陸した時、ジョフレは病に冒されていた…。
以上、メトライブビューイングHPより拝借。
METの初演だそうで、わたしも初めて見ました。
このスザンナ・フィリップスという主役クレマンスを演じるソプラノが、たいそう美しくて、光の海に立つ理想の女性にピッタリ。
オーウェンズは、わたしの知人のオジサンにそっくりで初めのうちちょっと困ったけど、声は奥行きがあってなめらか、むしろ二枚目がやるより純粋性が出たような気がします。
コラールが海から顔だけ出して歌う。
最後に巡り会う二人。
歌人の死によって、また愛は遙かなるもの、永遠なるものになっていく。
光と美しい曲と声にこちらも漂いながら過ごした3時間弱。
サーリアホという作曲家の作品は初めて聴いたけど、これは聞きやすい(歌う方は易しくないだろうけど)叙情的なものでした。
次回ももうすぐ始まる、「ナブッコ」です。
あの「行け我が想いよ、黄金の翼に乗って」が好きなのだけど、時間がとれそうもない・・・
資金も苦しい、ちばぎんカップとジェフ・町田のチケ買っちゃったし~ダ・ゾーンがいやだからとうとうあの鹿島に行こうかと考え中だし~~3月の「ルサルカ」には行きたいと思っているのですが、リーグが始めるとなかなか大変なのです。