こんな時は家で映画でも〜「『僕の戦争』を探して」
どっか行きたいな〜
5月には山口へ行く予定だったけど、キャンセルしたし…
と、思っているからというわけではないけど、ロードムービーが続きます。
「僕の戦争」を探して
デヴィッド・トルエバ監督、2013年制作。
スペインの映画です。
原題はスペイン語で
"Living Is Easy with Eyes Closed"
と見れば、ビートルズ好きならわかるでしょう。
この作品の最後に流れる“Strawrerry Fields Forever" の一節です。
写真の冴えない男が主人公で、ビートルズ大好きの英語教師、冒頭"Help!"の歌詞を生徒に1節づつ言わせています。
ビートルズ大ファンのアントニオ先生が主人公の割には、その曲は最後に流れる"Strawberry…“だけで、アントニオの憧れと、道中一緒になる若いベレンと父親に反抗して飛び出したティーンエイジャーのファンホの問題とが物語を作って行きます。
道中というのは、ジョン・レノンがスペインのアルメリアとかいうところで「僕の戦争」という映画を撮りに来ているので、その憧れのジョンに会いに行く、途中で訳ありのベレンとファンホを拾います。
ポスターの写真は映画の終わりの方で、ファンホの髪が短くなっているからわかる。
彼は、長い髪を切る切らないで父親と喧嘩して家出してきた。
ベレンは、望まない妊娠をして、密かに産んで赤ちゃんを人手に渡す施設に入れられるのだけど、そこの怪しげな施設長みたいなオバチャンから逃げてきた。
アントニオがとてもいい性格の人で、二人を…ファンホはどっちかっていうとストーンズかキンクス、と失言したにも関わらず…受け入れて、旅を共にします。
スペインのことなどさっぱり知らないのだけど、この時代まだフランコ政権でビートルズもその警備に嫌悪感を持ったらしいとか。
他に知ってるってアンタ、久保タケちゃんがマヨルカにいるとか?
それはともかく、アルメリアというのも何もなさそうな、岩がゴツゴツしたサバンナのような土地のように見えます。
アントニオたちが滞在した海辺の土地の人はアメリカで言えば(古いけど)イージーライダーの南部人みたいな感じで、長髪のファンホをいじめる。
いろいろトラブルがあり、恋もあり、少年は成長し、というロードムービーの定番のエピソードを織り交ぜながら、アントニオはめでたくジョンに会うことができます。
そしてジョンに直接“Strawberry…“を歌ってもらい、テープももらう。
アントニオにはこの上なく満足なことだったのでしょう、彼の口から語られた限りは。
しかし、アントニオは迎えにきた父親と帰るファンホにそのテープをあげてしまいます。
迎えにきた親父が愛想の一つも言わず、世話になったその土地唯一のバー(ボロボロだけど)の主人にも礼を言うシーンもないのだけど、多分ファンホはうまくやっていくでしょう。
ベレンは、アントニオから結婚を申し込まれたのですが、それには答えず、ファンホに誘われてマドリードに行きます。そこなら子どもを産んでも噂にもならず、またファンホの父親の知り合いに散髪屋がいるので、美容師の勉強もできるだろうという身の振り方に。
ベレンは自立の道をいくでしょう。
最後にアントニオはファンホを殴った男にしっかり仕返しをして、ご機嫌な表情で帰ります。
監督も俳優も知らず、何となく見たのですが、なかなかの佳品でした。
映像もロードムービーらしい仕上がりです。
特にびっくりするような展開はなく、ウダ〜っと見るには悪くない作品です。