第31節 東京x広島〜いい試合といいサッカー
ホームマリ戦に行ったのが遠い昔のよう。
あの惨敗を最後に、もう味スタへは行けないかと思っていましたが、体調が思ったより良いので、感染対策と防寒対策をバッチリ行なって行ってきました。
ACLは全く見られなかったけど、テクスト速報など見ると、厳しい試合を中2日で続け、やっとの思いでノックアウトステージに上がったものの、やっぱり負けたか…という印象でした。
コロナ禍によるあの悪夢の19連戦ですっかり疲弊した東京には、難しい大会だったと思います。
どの国のリーグでもコロナの影響はあったでしょうが。
他にもケント、ムロやんの移籍、東の長期離脱(ACLに間に合ってよかった)、GK林の大怪我、ACLでのディエゴの怪我などと次々に災難(移籍は災難とは違うけど)に襲われ、今季は厳しい試合の連続になりました。
その割には、まあまあよくやったと思います。
ベスト16の壁をまたも北京国安に阻まれて、帰国後初めての試合。
コロナ禍に一番翻弄されたのは東京ではないかと、身贔屓なのだろうけど思います。
ACL開催中に、Jリーグはオリンピックの選手と同じように、カタールへ行った選手も、チームの練習と試合には出られると発表されました。
帰国後の試合には出られないとの想定のもと、U18の選手を多数2種登録して、プレミアリーグはそれまで控え組とU15の選手で戦うことに。
その結果、優勝を逃し、3位に終わる。
ユースの選手たちには、大きな犠牲を払わせたことになります。
しかし、カタール組も出場できることになり、高校生たちは留守番組の練習には参加したものの、J1の試合には出場機会を失いました。
気の毒としか言いようがない…
という背景での、相手は城福サンフレッチェ。
健太さんがどういうスタメンにするのか、興味深いところ、U18は来季加入の決まっている大森くんが入っただけでしたが、カタール組の主力はほぼ休み、ベンチ外。
GKの波多野だけ先発。
両中村のSBで、CBは丹羽さんと木村誠二という親子ほど…と言っちゃ悪いか、でも年の差CB。
アンカーに愛斗、SHにうっちーとタマ、FWに大智、アダイウトン、田川。
広島は…最近のJ1事情は全くチェックしてなかったので当日知ったのだけど、15点もとっているレアンドロペレイラが家庭の事情とかで帰国してしまって、出場ならず、でもあとはどう見ても、広島の方は主力選手ばかり。
MFの茶島が懐かしい…ジェフにいてくれればねえ…(パフォーマンス良かったと思うけど、後半早々に替えられた)
相変わらずなかなか試合にまで行かないわ…
さて試合は、広島が準備を十分行なってきたのだろうな、と思わせるパスワークでサイドからいいボールを入れる、逆サイドへ入れるなどと、思った通り押し込まれまくる。
広島はとてもいいサッカーをする、城福さんのサッカーを(東京の時とは少し違うにしても)懐かしく見る…余裕なんかなくて、開始2、3分でFKを与え、際どいシュートを波多野が片手でセーブする。
そんなシーンから始まり、30分ほどで10本もシュートを打たれた、こわいよう。
東京は攻めに転じることもできず、ボールを奪えても、前に運べず、シュートどころではない。
この30分間に広島が得点でできなかったことが、結果に影響しました。
波多野くんがセーブしたのもあるけど、シュートを外しただけというのもあり。そこまでの組み立てはいいのに、ラストパス、シュートの精度を欠いて得点できない、って城福さんのチームっぽい感じ。
わたしは好きだけど。
東京の方は、広島に愛斗の両脇を使われ、タマが大忙し。
うっちーもよく走っていたけど、タマがいなきゃ負けてたかもと思うほど広範囲をカバーしていました。
タマは防戦一方の中、ボールを何とか前に運ぼうとしていました。
守備陣は丹羽さんを中心に集中力は切らさず、誠二くんも落ち着いていました。
30分が過ぎると、相変わらず広島に試合を支配されているものの、たまに東京も広島のゴール近くまで行けるように。
大智のシュートが前半では唯一のシュートらしいものでした。
アダにロングボールで走らすのも何回かありましたが、何しろ前が薄いし、それに彼も一人でやろうとするから、ドリドリしては撃沈、を繰り返す。
拓海が上がって少し可能性のあるプレーも見えたけど、うちは帆高派。
拓海は守備もだいぶやれるようになっているし、東京の選手の中では面白いプレーをします。
これじゃ後半余程気をつけて入らないと、やられるよ、失点したら何点取られるかわからないよ〜とまたネガティブになりました。
そしてやっぱり後半の入りも広島の方がよく、危ないシーンが。
しかし58分にあまり良くなかった亨介と交代して紺野が入ってから、目に見えて試合が変ります。
広島の選手が攻め疲れしたこともあるのか…
紺ちゃんは入るなり、チャンスを作り、タマにラストパス。これは決めたかった…
足が攣るくらい奮闘していたタマに報われてほしかったけど、ゴールならず。
でも広島のチャンスを防いだあと、攻め上がり、紺ちゃん、うっちー、タマと繋いで、走り込んでいた帆高がニアの天井にゴール。
うちだって繋ごうと思えば繋げるもんね〜
何だかものすごく久しぶりに東京のゴールを見た気がする…
広島の選手は焦ったのか、まさか先制されるとは思っていなかったか、ファウルが増え、プレーが雑になってきました。
紺ちゃんに手こずってイライラしたと思う。
紺野は守備でボールを奪うのも上手くなっていて、しばらく試合に出られなかった間に、ずいぶん練習したのでしょう。
気持ちのこもったプレーというのはこういうものかと思う。
でも紺ちゃんにはそれを表現できる技術もある。
思いがけない失点に全体の熱量が下がった広島に対し、東京の選手たちは最後まで熱量を落とさず、集中してウノゼロで試合を終えました。
正直、若い選手が精一杯頑張ればいい、と思っていただけだったので、望外の勝利。
いい試合でした。
広島のようないいサッカーが…とは思うけど、普段出場機会の少ない、出場時間の少ない選手たちが、気持ちのこもったプレーで勝つ試合を見るのも、サポとしては大きな喜びです。
気持ちのこもった、とは何だか抽象的な言い方ですが、実際スタジアムで見ていると、それが伝わってくる試合があります。
タマの縦横無尽というか前後左右に走り回ってボールに触る、それも年長者でこの試合のキャプテンとしての責任感の表れでしょうし、丹羽さんが体を張ってシュートを防いだシーンも、そうでした。
拓海だけが飄々としているように見えるのは、そういう個性なんでしょう。
帆高のゴールの後の喜びようからも、彼がACLで、またリーグ戦で悔しい思いを重ねていたことが伝わりました。
さて、最終戦になる神戸戦、こんな働きをした選手たちが、カタールの主力選手たちに刺激となればいいし、また、別格の働きをした紺野、献身的なプレーを見せたタマ(ACLでも良かったようです)、乾坤一擲のゴールを決めた帆高など、もっと見たい選手がいます。
目立たないけど、うっちーも。あとはゴールがあれば…
健太さんはどういうスカッドにするのか、楽しみでもありちょっと心配でもあり。