ガブリエル・ガルシア・マルケス「生きて、語り伝える」
コロンビア、といえば何を連想しますか?
と、以前エベリオ・ロセーロ「顔のない軍隊」のエントリーで書いたような気がします。
何もわざわざ写真撮らなくてもいいんだけど、上の写真は生協のバナナ。コロンビア産です。
あとはコーヒー?
そして、何と言っても最近じゃW杯コロンビア代表、特にハメス・ロドリゲスですな。
しかし実は、わたしにはイケメンハメスより先に、思い出す人がいる。
今年4月に87歳で亡くなったガブリエル・ガルシア・マルケス。
この作家と同時代に生きられたことは、わたしの幸せの一つです。
彼の代表作「百年の孤独」を読んだのはいつだったか・・・もうずいぶん前のこと。
その圧倒的な面白さ、ビックリしたものです。
彼の作品は長編はほとんど読んでいます。
「愛、その他の悪霊」「コレラの時代の愛」などが好き。
持っていなかったので買ったのが、これ。
マルケスの青年期までの自伝です。
ほんまかいな?と思うような説話的伝説的なエピソード満載。
特に子どもの頃、彼を取り巻く世界は、「百年の孤独」の世界に繋がっています。
大人になっても、ジャングルの中の不思議な異人種?みたいなものの話を、本気で信じて探しに行こうとするとか・・・
まあ、大作家の「自伝」ですから、そのまま受け取っていいかわからないのですが・・・そのまま受け取った方が面白い、と思います。
学生の頃に深刻な内乱が(と言ってもいつも内乱はあったようですが)勃発するのですが、渦中にある人間の意外なほど暢気なこと・・・これは、まったくその通りだろうと思います。
激しく貧乏な実家のため(子どもの数がすごい!マルケスはその長男)、彼もこの本の最後のほんのちょっとの部分までずっと貧乏。
でも、早くからコロンビア国内では知られていたようです。
この自伝では、「百年の孤独」執筆までは書かれていません。
でも、冒頭から「マコンド村」の名前の由来が明かされたり、「百年の孤独」に至る伏線はいくつも見ることができます。
マルケスの生まれから青年期とその背景を知ることができるだけでなく、読み物としてとても面白い自伝です。
ただね~登場する人が多くて名前が似ていたり長かったりで、脳細胞死滅のスピードアップしているオバには辛かった。
せっかくなので、改訳版「百年の孤独」を読んでいます。