もうすぐプレミア・リーグが始まるので

羽生選手のHP読みました。
ほんとうにサッカーに対する真摯な気持ちが伝わります。まだまだうまくいかないかもしれないけど、応援するしかない!と改めて思いました。どなたかわかりませんが、羽生選手に手紙を渡した人、ありがとうございます。

で、今日の本題。
ニック・ホーンビイ著“FEVER PITCH”「ぼくのプレミアライフ」を読み返しています。
この人、子どもを描くと上手なことは“ABOUT A BOY”で証明されていますが、
その原点が彼自身の少年時代の記憶にあるようです。
「ぼくの・・・」は彼の成長の記録という面もあり、その日々はいつもアーセナルと共にありました。
ウチは夫婦でアーセナル好きです。
夫は以前スパーズが好きでしたが、10年くらい前からアーセナル
TVでプレミアを見るようになってから・・・。
わたしは、特にどこということはなかったのですが、なんとなく・・・まあ、Jリーグが夫婦別サポなので、プレミアまで別にすることもありませんし・・・。

読み返していてハッとさせられた記述が
「ぼくが死んだら遺灰をハイベリーのピッチにまいてほしいと思う」というもの。
その後、90年代のプレミアリーグ(まだディヴィジョン1)が、少年のお小遣いでは毎週観戦することが難しくなっている現状を批判する記事が続きます。
さて、今のエミレイツスタジアムでも、彼は遺灰をまいて欲しいと願っているかしら?
たぶん・・・NOでしょう。
(チケットはさらにさらに高くなり、いまやオトナでも低所得層には高嶺の花・・・。)

考えたら、わたしは味スタのピッチに遺灰をまいて欲しいとは思えない・・・
歴史が違いすぎる・・・味スタはまだ、東京のスタジアムになっていない。
それどころか、つい今シーズンもそのことでもめたのですから・・・

もうひとつは、いわゆる階級社会とフットボールについて。
わたしはイギリスに住んだことがないので、よく知りませんが、親戚一家が7年前までロンドンから車で2時間ほどの郊外に住んでいました。
親戚夫婦が、何組の夫婦が集まったティーパーティー(出席者はみんな大学教授夫婦)で、うっかりフットボールの話をした時の、特に奥様方の反応がすごかったそうです。
もう、ケダモノでも見るような、汚らわしいといわんばかりにドンビキされ、親戚夫婦は大汗かいたと・・・もともと彼らはフットボールには何の興味もなく、ただ受けるだろうと思って話題にしたらしい・・・
そうでしょうとも、少しでもフットボールを知っていれば、もう少し相手を見て話したでしょうよ。
わたしなら、そんなにドンビキされたら、ムッとして、じゃあいいよ、話できる人とつきあうさ!と思うでしょうが、親戚の妻は、すっかりその経験に懲りて、「良識ある人間は、サッカーの話はしない」と信じるようになりました。
おまけにその郊外のチーム(3,4部)のスタジアム近くで、引ったくりに遭いそうになり、それがフーリガンだと決め付けた彼女は、それ以来スタジアム近辺にも行かないようにしたそうです。今では、日本においてさえ、サッカーをする、見るなんて、野蛮人のすることだ、と確信しています(トホホ)

ホーンビイも自分が中流家庭出身であることを隠していたそうです。
ウチの親戚はもともとスノッブ趣味なので、極端だろうと思いますが、そういうイングランドの土壌で育ったサッカーと、日本とではずいぶん違いますね。
 
先日夫がイギリスから仕事のお客さまを迎えました。70歳を過ぎたビール腹のオジイサンだったそうです。夫もサッカーの話題を安易に持ち出さないよう気をつけていますが、この人とは話しているうちに、ロンドンっ子で、生まれた時からフルハムサポだとわかりました。それで、夫が
「残留を決めて、良かったですね」というと、その人は首を振り、
「いやあ、1部に落ちればよかったんだよ。わしら、わけのわからない、値段が高いだけの外人なんか見たくないんだ。プレミアにいようとするから、そうして、ヘンなフットボールになるのさ。別に試合を見るには、1部だって同じことだ」
と、答えたそうです。
わけのわからない外人・・・イナも?そうだったのでしょうね。
プレミアにいようとして、ムリして高いお金を払って外国人選手を連れてくるより、1部でいいから、親しみのある地元の選手で小ぢんまりとやってくれ、ということらしい。
うう~ん、J1チームのサポで、こう言う人いるでしょうか?
降格した方がいい、なんて・・・。

そういえば、「ぼくの・・・」にアーセナルの対戦相手として出てくるストークが昇格して来ます。
残留することができるでしょうか?
ホーンビイの嘆きはわからないこともないけど、プレミアリーグがそうやって巨大化したおかげで、日本でもいながらにしてTV観戦できます。
それにくらべてJリーグのレベルは・・・という意見もありますし、それはそうなのですが、フルハムのオジイサンではないけど、ウチのチームはウチのチーム、ひどい試合をしても、やっぱり応援してしまいます。