こんな時は家で映画でも〜「アバウト・ア・ボーイ」

正直すっかり気が滅入ってます。

唯一の楽しみだった昭和記念公園も休園に…

状況は悪化の一途…誰が罹患してもいいことはないのに、若者が、トシヨリが、とお互いに言い合うし…

 

そんなこんなですが、暇なので録画してあった映画を見たり、今は行けない旅行番組を見て新型コロナウィルス流行が収まったら行きたいね〜と話したり。

 

あまり頭使わずに見られるやつ…ということで、まずは

アバウト・ア・ボーイ

おかげでいつまでも「Killng me softly」が耳について困るんですけど。

監督はウェイツ兄弟。

 

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2002年9月の公開。

もう18年前…

写真見てもわかるけど、若いヒュー・グラントの主演。

わたくし、ヒュー・グラントってあまり好きではないのですが、この38歳親の遺産でフラフラ生きるような役柄にはピッタリ。

原作はあの「僕のプレミアライフ」のニック・ホーンビィ。「僕のプレミアライフ」は映画も好きだけど、特に原作はたいそう面白く、サポのどうしようもないアホぶりがよく描けているし、ガナーズと歩む個人史として読んでも興味深いものです。

「僕のプレミアライフ」映画版の名場面はガールフレンドに「シーズン、シーズンて何よ、誰にでも1年は365日あるのよ」と言われて「ないね!」と言い切った、そのシーン。むろんふられてしまいましたが、その後ガナーズ優勝のおかげで元のさやに戻ります。

あのころのガナーズは良かったなあ…

いかんいかん、気を取り直し。

 

食うには困らない財産を親から受けて、お気楽独身でうだうだと人生をやり過ごすウィルが、後腐れなくて良さそう、という理由でシングルマザーに近づく。自分も2歳の子持ちだと嘘をついて。

そこで12歳のマーカスという男の子とメンタルが不安定な母という親子と知り合う。

マーカスは学校ではいじめられっ子だけど、情緒不安定な母親を思いやってそんなそぶりは見せず、母親は自分のことで精一杯なのか、マーカスのことがよくわかっていない。マーカスはただ母親を自殺で失うかもしれない不安を持ちながら、母親には優しく、大人っぽく健気でもある。

マーカスの母親、菜食主義者で息子にもマックなど食べさせず、石のように硬いパン(このパンをマーカスが池の鴨に投げて、カモを殺してしまう、それほど硬い)を嬉々として焼くのだけど、そういう人によくあるヘンなエスニックファッション?みたいなのを着ていて、それをマーカスにも着せるのだから、そりゃ学校でからかわれるでしょ。

わたしもPTAの役員やらされていた時、そういう菜食主義のナチュラリストの母親と一緒で、国境を越えて同じようなファッションだったのを思い出す。コットンでなんかしわっぽくて草木染めみたいな緑とか茶色とか紫とかのシマシマのベストとかスカートとか…

予防接種は毒だ、みたいなことを叫んでいたっけな〜

ウィルはしょーがないヤツながら、少年の心情はわかるので、マーカスと言い争いながらも共感し合うようになる。

しかしウィルはあくまでも女性として魅力のあるシングルマザーを求めていて、そうこうするうちに好みにぴったりなレイチェルと出会う。

マーカスとウィルは友情のような親子の情のような兄弟愛のようなものに結ばれて、喧嘩しながらもマーカスはウィルの恋を後押し、ウィルもマーカスが学校のラップ好き姉御っぽい女子への初恋を応援する。ウィルがマーカスにプレゼントしたラップのおかげでアネゴがマーカスを気に入ってから、いじめから守られる。

クライマックスは学校のロック大会で、マーカスは母親のために「Killig me sofitly」を歌うのだけど、当然そんな歌、みんなの嘲笑を買ってしまうのがわかっていたウィルは止めに走る。母親はそこでもウィルの焦りがなんかよくわからないようで、ただ聞いていると、やはりさんざんヒューヒュー冷やかされマーカスの歌は消えゆきそうなところに…

ウィルが、うだうだ生きてきてちょっとばかり習得した一つを使って助け、マーカスは歌いきり、母親は感激の涙。

そんなクライマックスを経て、ウィルはお気楽だけど虚しいひとり暮らしから、他人同士ながら気のおけないコミュニティに入るというか、その一部になっていく。

 

菜食主義者の母親は、どうもミャンマー難民救済のボランティアをやっていた同じようなエスニックぽい服装の男と気が合いそうな…

マーカスの満面の笑みで終わります。

 

 

原作はすっかり忘れたけど、映画は映画で悪くない出来です。

マーカス少年が一人でもダメ、母親と二人でもダメ、もう一人いなきゃ、とそれは父親でもなく、ただ二人と助け合える人間を求めていくところが、この作品のテーマでしょう。ウィルが主役のようですが、この母親にヘンな帽子とヘンなコートを着せられながら、拒否もせず、それを着たまま自分の立ち位置を確かにしていく姿がよく描けていると思います。

 

ところで、マーカスを演じたニコラス・ホルトという少年は、現在X-MENシリーズに出ているのね。

19年の「トールキン 旅のはじまり」では主役だったそうで…X-MENはテレビでボ〜ッと見たことがあるけど、どれだったか忘れたし、彼が出ていたかは覚えていません。

トールキン 旅のはじまり」は、テレビでやってたら見てみたい。

あの坊やが、なかなか素敵になっているじゃないですか。

演技はヒュー・グラントを食っていたもんね〜

 

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ニコラス・ホルト