こんな時は家で映画でも〜「ほえる犬は噛まない」

こんな時は…と言うの、もうやめた方がいいような気がします。

「こんな時」が当分続きそうだし、もうそれが日常になりそうですから。

と思いつつ何だか惰性で、こうなっております〜

 

続いては、またポン・ジュノ監督の、劇場長編初監督作、だそうです。

 

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ぺ・ドゥナ

 

写真のぺ・ドゥナは丸い大きな目がとても可愛らしく、演技も清新で、この映画からブレイクしたそうです。

 

うちで寝っ転がってウダ〜ッと見ていますから、どの映画にもそれほどネガティブな評価はする気がないのですが、この作品はちょっと生理的に苦手でした。

わたしは猫派だけど犬も好きで、実家では飼っていたし(柴犬)、生き物は苦手なのもいるけど、概ね好きなのです。

ところが、この作品に登場する主人公イ・ソンジェ演じるユンジュは、なかなか出世できない大学講師で妻に養われ、頭が上がらない男で、イライラが溜まっているのを、犬を虐待することで発散するのです。

先に見た「愛と銃弾」の暴力シーンなどは演技だと当然わかっていますが、動物の場合は無論本当に虐待をおこなったわけではないだろうけど、本人(本犬)は意識していない状態で、そのシーンを撮っているのですから、何だか気分が悪いのです。

 

しかし、登場人物の描き方には、その後撮られた作品を予感させるような上手さが見えます。

ことに、気持ち悪〜いのだけど、警備員のオッサンとか、既にここに登場する「地下生活者」などのリアルさはなかなかのものです。

ポン・ジュノ監督はキタナイ人を描くのがうまいなあ…

切り干し大根を作るお婆さん(プードルの飼い主)も面白い。飼い犬を奪われてかわいそうだったけど、遺書がつい笑ってしまうもので…

また、ぺ・ドゥナとその女友達(と言うか恋人みたいな)も魅力的に描かれています。

主人公のユンジュはわりと難しい役なのかもしれません。年上で生活を支えていた妻のお尻に敷かれっぱなしでしたが、結局その妻の愛情と経済力により、教授になることができました。

しかし、映画の最後の方のシーンでは、教授になりながらも放心したような彼の表情が映されます。

共感しにくいキャラクターなのよね。

その点、あまり仕事もできないし、能力に恵まれているわけではないけど、真っ直ぐな気持ちと生命力に溢れているヒョンナム(ぺ・ドゥナ)とその迫力ある女友達には、あまりお行儀の良い子たちではないけど、憎めない愛らしさを感じます。

前述の通り、すごいのは警備員のオッサンの「ボイラー・キムさん」のお話なんだけどね。

あ〜こわ。

 

ところで、わたしが特に苦手とするのは、この映画では犬を食っちまうシーンがあるからなのですが、これって、封切当時物議を醸したりはしなかったのでしょうか。

オリンピックの時、韓国の犬食を、欧米諸国が批判したことがありましたが、どうなのかしら?

わたしは他国の食習慣をとやかく言うつもりはないのですが、画面にそれを見るのは、かなり嫌なものでした。

ヒョンナムはそんなこと思いもよらない様子で、そのギャップが面白いところではありました。

 

この映画の後、「アバウト・ア・ボーイ」のマーカス少年ニコラス・ホルトの出ているX-MENシリーズを二本見ました。

特に感想を書くほどでもないけど、「アポカリプス」の方が面白かった、何に比べてか、なんてもう忘れた〜