アンジェイ・ワイダ、祖国を語る

ポーランドは、ユーロ08で、残念ながら予選リーグ敗退が決まってしまいました。
でもこの国含め、まずオーストリアがその中心ですが、旧ハプスブルグ帝国の国々は奥深い文化を
持っています、といっても、わたしはヨーロッパには行ったことがないのですが。

昨夜ポーランドの映画監督アンジェイ・ワイダの特集をNHKで放送していました。
ワイダといえば「地下水道」「灰とダイアモンド」でしょう。
さすがに、わたしもリアルタイムで見たわけではありません。
どちらも悲痛な思いを持たせる映画ですが、とくに「地下水道」は、わたしには見るのが辛すぎます。
「灰・・・」は、スタイリッシュな作りで、今見ても斬新でしょう。
「鉄の男」は日本ではたぶん「大理石の男」より先に公開されたのではないかと思います?
確かビスコンティの「ルートヴィヒ」の少し前に公開されました。
ヴィスコンティといえば、当時のナマイキな女子高生には絶大な人気がありました。
「鉄の男」も話題作でしたが、女の子人気は圧倒的に「ルートヴィヒ」でした。

後年、改めてみると、いうまでもなく「ルートヴィヒ」は製作途中でビスコンティが亡くなったこともあるのか、特別良い出来ではありません。
「鉄の男」もずっと以前にみただけで、記憶もかなりあいまいですが、こちらは今見ても面白いような気がします。

彼の歴史認識や映画製作のモチベーションは、大国にはさまれ、苦悩を続けた国に生きた人だからこそ、というものです。

同じように、東欧の国として、大変な苦しみに合ったイビツア・オシムさんを思い出しました。
このあたりの複雑な歴史、ちょっと日本人には理解が難しいところです。
とはいえ、世間やマスコミで、あるいは学校でさえ、安易に言われているほど、
日本は農耕民族でも、外国から隔絶した島国でも、単一民族でもない、
というのは、網野善彦さんの受け売りですが。

ともかくワイダの新作「カチン」も、重い作品には違いありません。
ポーランドで300万人を動員したとか?
どれほど、この旧ソ連の行った虐殺について、ポーランドの人が
思いを胸に秘めて、唇をかみ締めていたか、想像を絶するものがあります。