BCJマタイ受難曲:J.Sバッハ
4月16日聖土曜日、東京オペラシティでバッハ・コレギウム・ジャパン第148回定期演奏会でもある、受難節コンサートに行ってきました。
翌日の日曜日は復活節、イースター。
最近日本ではイースターといえば卵を食べる日?、卵型のお菓子やウサギやひよこの形のお菓子を食べる日のようになっていますが、間違いだから。
イエス・キリストが十字架上の死から石の墓を打ち破り、蘇られた記念日ですから。
まあなんでもお菓子が売れれば、お菓子が食べられればいいのでしょうけど。
で、聖土曜日、イエス・キリストがまだ死のうちにある土曜日です。
去年はコロナの影響で、外国からソリストを招聘できませんでしたが、今年は三人のソリストが呼ばれました。
鈴木雅明(指揮)
エヴァンゲリスト(テノール):トマス・ホッブス
ソプラノ:ハナ・ブラシコヴァ、中江早希
アルト:ベンノ・シャハトナー、青木洋也
テノール:櫻田 亮
バス:加耒 徹、渡辺祐介
バッハ・コレギウム・ジャパン(合唱&管弦楽)
加えて、いつもの
中江早希(ソプラノⅡ)、青木洋也(アルトⅡ/商人Ⅰ)、
鈴木優人がチェンバロ。
去年は櫻田さんがエヴァンゲリスト(聖書の伝道者)で奮闘されたのを思い出します。
今回のトマス・ホップスは理性的な感じできっちりとエヴァンゲリストを務めました。
白眉はベンノ・シャハトナーのアルトで、大きな体躯からとても美しい声が出て、上手な上に情感こもっていて、大変聞き応えがありました。
前半のベタニアの女に倣い…のレチタティーヴォからアリアにも惹きつけられました。
「憐れみたまえ」では、毎年聞きながらも(去年は青木さんがアレでしたが)、今年はひとしお泣けてきました。
私の体調から来年は聞きに来ることができないかもしれない。
そしてこの深い深い悔悟の痛み、同時に私もまた憐れみたまえ、と祈るより他はない者なのだと…
痛切に美しい歌声。
もうマスクの下は花粉症と薬の副作用とで鼻水ズルズルなのに、泣いてしまって大変なことに。
加耒徹イエスも素晴らしく、毎回思うのだけどあの小柄な体からあの声が出る不思議さ。
終盤(ついフットボールっぽく言ってしまってすまないすまない)の「夕暮れの涼やかなりし頃・・・」からアリアまで感動的でした。
と、中盤飛ばしてしまったけど、全体にコラールも管弦楽も含めて大変素晴らしい演奏でした。
他のソロの皆さんもなかなか良かったと思います。
バッハのマタイ受難曲は、どこを切り取っても名曲です。
そして、安らかに憩いたまえ、とコラールを聴きながらまたも泣きそうになったのでした。
ちょっと疲れたけどとても心地よく、鼻出しマスクの親父にも少し寛容な気持ちで(でもちゃんとマスクしましょう)いたら、うまい具合に中央線武蔵小金井止まり(中途半端な終点なので空いている)が来て新宿からでも座れました。
この時間新宿から座れるなんて滅多にないのですが。
そしてうまい具合に三鷹で乗り換え、国分寺で中央特快に乗れて、思ったより早く帰宅できました。
感謝感謝。