川島雄三「花影」

完全なる夏バテとやや鬱状態もセットになり、今日はやらなきゃいけないことすべてポイ!
家事以外は一日ゴロゴロしていました・・・ああ、情けなや。

しかし良いこともあるものです。
ひっくり返ってTVの高校野球などぼーぜんと眺める・・・野球はよく分からないのですが。
たまたま某ブログ青年の地域代表の試合だったので・・・見るともなしに。
まずは、その校歌の壮大さにびっくり。
良く覚えていないけど「国の肇め(はじめ)の日向・・・遠き御祖(みおや)の意志を継ぐ」
というような・・・歴史が100年くらいある高校だそうで、その重みを感じます。


ぼんやり眺めていたら、夫が予約していた映画が突然始まる。

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川島雄三監督「花影(かえい)」。原作・大岡昇平。1961年の作品。
ヒロインは池内淳子
ちょっと意地悪そうなのは地顔だろうけど薄幸そうでキレイ。
相当世間離れした経済観念の女性で、純粋なところもありすぐアレの方向へ行くところもあり。
TVのお母さん役とはほど遠い感じ。
銀座で20年だか生きてきた「女給」と呼ばれた最後の世代の人です。
話は例によってどうしようもない男が次々に現れ、ヒロイン葉子もどうしようもなくなっていく。特に佐野周二のしょうがない感じがよろしいですが・・・
面白いか?と言えば、あんまり面白くない。
それでも川島らしいカメラワークも散見されます。


しかしこれは川島雄三作品中未見のものだったので、今日ゴロゴロしていたことの収穫でした。
何しろ5年前だったか、青森旅行中わざわざタクシーで青森県立美術館へ行き、
川島雄三展」を見に行ったくらい川島雄三好きなのです。
寺山修司と並んで、青森県が生んだ鬼才なのです。
この人、身体的ハンディキャップがあったらしいのですが、写真を見ても
展示されていた彼のファッションを見ても、とてもステキなのです。
いい男。
こんなやさぐれたタイプ、夫にはしたくありませんけど。

「花影」はあまりヘンなところは多くなかったのですが、
「雁の寺」「幕末太陽伝」などはヘンなシーン満載。
この2作品は川島の中でも特に好きです。
川島映画には、池内淳子より若尾文子の方が合います。
あ。増村保造もね。

ところで、池内淳子の出演した映画でもっとも印象深いのは・・・
東海道四谷怪談中川信夫でしょう。
こわいよ~

そうそう、日向の国の高校は勝ちましたね
おめでとうございます。