寝正月、映画編

2009年1月2日夜。
退屈紛れに、映画のDVD2本見る。

1本目。
ソクーロフモレク神」
ロシアの映画作家ソクーロフの「権力4部昨」の第1作。
エバ・ブラウンの住む山荘にヒットラーが訪ねた一昼夜のドラマ。
俳優はロシア人がほとんどですが、ドイツとの共同制作ということらしいです。
ドイツではかの人とその時代については、難しい制限があって作りにくいのだそうで、
そのあたり、日本とはずいぶん違います。
ソクーロフについては、去年4部作の3作目「太陽」を見ました。
非常に評価の難しいテーマであったので、「モレク神」を見たら
少しは評価が出来るかとおもいきや、これもまた・・・
映画としては難しくないのですが・・・
ただ、映像は彼の好みがよくわかり、寄ってもバストまでというのは、気に入りました。
また、ソフトフォーカス気味の青い色調、「太陽」では赤い色調に統一していたのも
彼の傾向でしょう。「モレク神」はさむ~い印象でした。
ロシア人俳優が演じているにしては、なかなか時代を表現していて
それは日本の天皇を映画化し、なかなかの人間像を描いた彼の手腕のようです。
とはいえ、なんとも評価しにくいことに変わりなし。
もうちょっと他の傾向のソクーロフ作品を見てから。

お口直しに川島雄三「須崎パラダイス 赤信号」を見る。
川島雄三、好きな監督です。
3年ほど前、青森に行ったとき、青森県美術館で「川島雄三展」をやっていたので
わざわざタクシーで行きました。タクシーの運転手さん、「何かやっているんですか?」
と聞くから、川島雄三展だというと、知らないと・・・
寺山修司は知っているのに・・・青森の生んだ最高の映画監督ですよ!と言っておきました。
さて、夫はこれが一番彼らしい作品だと言う。
わたしは「幕末太陽伝」が最高傑作だと思う。
須崎って、木場から砂町あたりらしいですが、今や交通至便のマンションが建ち並ぶ。
映画ではものすごく場末な感じの売春街・・・昭和31年、買収防止法施行前夜。
その入り口にある小さな一杯飲み屋が舞台。
新珠三千代は須崎の娼婦上がりというのか、崩れというのか、
恋人役の三橋達也は無職で無気力でやさぐれたしょうがない男。
二人が須崎の門前の飲み屋に転がり込んで、人の良い女将さんの世話になる。
女将さんの旦那も須崎の若い女と逃げてしまったしょうがない男。
日本映画得意のしょうがない男、満載です。
くっついたり離れたり、どうしようのない二人の関係もだらだら続いて、映画は終わる。
そのなかに純情なトラック運転手が登場、牧真介という俳優らしいけどどんな人かしりません。
なんとなく今野選手に似ているので勝手に「今ちゃん」と呼ぶ。
定型的な北方というか、モンゴル人的な素朴な風貌です。
今ちゃん、結局須崎の若い娼婦に騙されてしまって、騙されたことも信じたくないので
泣いて走り去って、物語からも去ります。
実際の今ちゃんは幸せな結婚してください、と願います。
お正月早々しょうがない人たちを見て、夜も更けてしまいました。

3日は、駅伝をちょっと見て、高校サッカーを見て田辺草民くんをチェック。
おもしろい選手。
今はまたマイルスを聞いています。