戦艦バウンティ号の反乱
NHKBSで放送していました。
最近映画の書庫がさっぱり増えなくて、自分は映画好きと名乗って良いものか疑わしくなっています。
まず、映画館に行かない。これじゃ映画を語れません。
最近は「レッドクリフⅡ」のみ。さらに遡って4月に「チェ」前後編。
チェといっても韓国の人ではありません。どこぞのゲーフラにもなっているあの革命家。
チェ・ゲバラです。監督はソダーバーグ。
この38歳編は面白かった。心美しき志高き人の挫折が良く描けていました。
レッドクリフについては、どうもあまり語る資格を持たないような気がします。
別の機会に簡単に感想を書く予定。
さて、この「戦艦バウンティ号の反乱」フランク・ロイド監督。
1935年のアカデミー賞受賞作・・・。
日本映画というと・・・溝口が「折り鶴お千」を撮った年。とはいえわたしはこの溝口作品を見ていません。「滝の白糸」が33年、すでに映画は充実していた時代だったわけです。
「戦艦バウンティ号の反乱」、18世紀の実話に基づいて作られた海洋物とでもいうのか、
その元祖みたいな作品でしょう。この海洋事件はよほどのインパクトがあるのか何度も映画化されています。
わたしは、映画が好きと言っても好みがひどく偏っていて、実は海山砂漠ジャングルその他自然相手に苦労する映画は苦手。
戦争、西部劇、チャンバラ、多くのギャングもの、やくざものもあまり好きでありません。
おおよそ映画で多くの人が楽しんでいたジャンルがダメということです。
好きな方がちょっぴり。
だったのですが、ようやく最近ダメなジャンルも見られるようになってきました。
トシ取って何でも良くなったのらしいです。
この作品も以前ならスルーだったはずですが、最後まで見てしまいました。
30年代のハリウッドの力量がよくわかるできばえでした。
まず船、航海、嵐といったシーンが今の特撮技術などない時代に、とてもよく撮れています。
話は「クリムゾン・タイド」にも似た艦長と副官の対立が主軸になっています。
というか、この作品あたりが源流となってこういうパターンができたのでしょう。
反乱を起こされても仕方のない、粗野横暴冷酷かつ不細工な艦長(チャールズ・ロートン)に正義感の強いハンサム(クラーク・ゲーブル)な副官。
独裁者の艦長に虐げられながら、タヒチに着くと、そこはこの世の楽園。
どうみてもゴーギャンの絵の女性とは程遠い、ドーランをやや濃く塗ったハリウッド女優としか見えない、タヒチ娘といい仲になったりしたのもつかの間、
また辛い航海に出ると、艦長の暴君ぶりがさらに堪える。
あんまりな艦長の暴虐ぶりに怒った副官と乗組員が反乱を起こし、艦長とその一派は
ボートに乗せられ、大海に放り出されます。
この艦長のただ者でないところは、半死半生になりながらボートで陸地にたどり着き、
イギリスに生還しちゃうという・・・鬼のような執念を見せるのです。
当然ながら一部の反乱者は艦長の復讐にあうのですが、一応正義が通る。
タヒチがどうも怪しい感じなのは時代からしても仕方ないでしょうし、
女優がタヒチ娘には見えないというのも、今見ると笑えますが、そういうリアリズムは必要ないと思います。女優が女優らしかった時代というのも良いものです。
クラーク・ゲーブルの美男子ぶりもすてき。女優とのシーンは舞台がタヒチであれ、イングランド王室であれ、ニューヨークであれ、どこでも同じ。
それも良き時代でしょうか。
好き嫌いはともかく、なんだか感心して最後まで見てしまった作品でした。
最近映画の書庫がさっぱり増えなくて、自分は映画好きと名乗って良いものか疑わしくなっています。
まず、映画館に行かない。これじゃ映画を語れません。
最近は「レッドクリフⅡ」のみ。さらに遡って4月に「チェ」前後編。
チェといっても韓国の人ではありません。どこぞのゲーフラにもなっているあの革命家。
チェ・ゲバラです。監督はソダーバーグ。
この38歳編は面白かった。心美しき志高き人の挫折が良く描けていました。
レッドクリフについては、どうもあまり語る資格を持たないような気がします。
別の機会に簡単に感想を書く予定。
さて、この「戦艦バウンティ号の反乱」フランク・ロイド監督。
1935年のアカデミー賞受賞作・・・。
日本映画というと・・・溝口が「折り鶴お千」を撮った年。とはいえわたしはこの溝口作品を見ていません。「滝の白糸」が33年、すでに映画は充実していた時代だったわけです。
「戦艦バウンティ号の反乱」、18世紀の実話に基づいて作られた海洋物とでもいうのか、
その元祖みたいな作品でしょう。この海洋事件はよほどのインパクトがあるのか何度も映画化されています。
わたしは、映画が好きと言っても好みがひどく偏っていて、実は海山砂漠ジャングルその他自然相手に苦労する映画は苦手。
戦争、西部劇、チャンバラ、多くのギャングもの、やくざものもあまり好きでありません。
おおよそ映画で多くの人が楽しんでいたジャンルがダメということです。
好きな方がちょっぴり。
だったのですが、ようやく最近ダメなジャンルも見られるようになってきました。
トシ取って何でも良くなったのらしいです。
この作品も以前ならスルーだったはずですが、最後まで見てしまいました。
30年代のハリウッドの力量がよくわかるできばえでした。
まず船、航海、嵐といったシーンが今の特撮技術などない時代に、とてもよく撮れています。
話は「クリムゾン・タイド」にも似た艦長と副官の対立が主軸になっています。
というか、この作品あたりが源流となってこういうパターンができたのでしょう。
反乱を起こされても仕方のない、粗野横暴冷酷かつ不細工な艦長(チャールズ・ロートン)に正義感の強いハンサム(クラーク・ゲーブル)な副官。
独裁者の艦長に虐げられながら、タヒチに着くと、そこはこの世の楽園。
どうみてもゴーギャンの絵の女性とは程遠い、ドーランをやや濃く塗ったハリウッド女優としか見えない、タヒチ娘といい仲になったりしたのもつかの間、
また辛い航海に出ると、艦長の暴君ぶりがさらに堪える。
あんまりな艦長の暴虐ぶりに怒った副官と乗組員が反乱を起こし、艦長とその一派は
ボートに乗せられ、大海に放り出されます。
この艦長のただ者でないところは、半死半生になりながらボートで陸地にたどり着き、
イギリスに生還しちゃうという・・・鬼のような執念を見せるのです。
当然ながら一部の反乱者は艦長の復讐にあうのですが、一応正義が通る。
タヒチがどうも怪しい感じなのは時代からしても仕方ないでしょうし、
女優がタヒチ娘には見えないというのも、今見ると笑えますが、そういうリアリズムは必要ないと思います。女優が女優らしかった時代というのも良いものです。
クラーク・ゲーブルの美男子ぶりもすてき。女優とのシーンは舞台がタヒチであれ、イングランド王室であれ、ニューヨークであれ、どこでも同じ。
それも良き時代でしょうか。
好き嫌いはともかく、なんだか感心して最後まで見てしまった作品でした。