80歳を越えてなおヌーベルバーグを生きるゴダールの2014年作品。
原題は”Adieu au langage 3D”と、タイトルに3Dであることを入れている。
シネスイッチ銀座に着くと、もう1本の上映作品「みおくりの作法」という方に、オジオバの観客多数。
で、ワタクシども夫婦が見るのは、ゴダール。
3D眼鏡代込みのチケット代払わされた~

わたしは前にも書いた通り、ゴダールファンではないけど、なん10年と横目で気にしてきた監督ですから、いまや彼は「安心のブランド」。
冒頭からとりあえず新しいものは試したいという彼の好みが見えて、ニヤリとさせられます。
存分に3Dで撮りまくり、とくに「パルムドッグ」賞受賞のゴダールの愛犬ロクシーくん、お鼻がツン、ととんがってる様子が3Dならでは。
ダックスフントかと思うくらい突出した感じだけど、ビーグル犬でした。
そして、「画面手前の椅子」とか、人体とか。
人体といえば、わんちゃんと同じように、服を着てないシーンが多い。
わざわざ「犬は裸であることを意識しない・・・云々」という台詞も入る。
言葉よさらば、というわりには、よくしゃべる登場人物。
それもゴダールならでは。
しかし、何も語らないロクシーが最も重要な主人公のよう。
そして、作品最後の音声にも、音声ながら一番意味を込めて響いてくるようだけど、その瞬間映画は終わります。
ゴダールの作品は近年特に映像が美しいのですが、この作品もまたたいそう美しい。
夫と、こんな美しい水の映像を見たのは、タルコフスキー以来だね、と話したくらい。
様々な水の映像を見るだけでも価値はあると思います。
しかしまあ、85歳だったかしら?
すごいオジイチャンだこと。
女性の好みも変わらないし・・・あ、これは凡人でもそうか。
モバイルで初めて修正するけど、うまくいくかな~
これはゴダールの遺言だと謳い文句があるけど、最後の音声で、いや遺言ではないな、と思った。
でも、小津が笠智衆に言わせた「せんぐりせんぐり」繰り返すという意味で入れたなら、遺言とも言えるかしら。